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2006年  ボスニア・ヘルツェゴヴィナ/オーストリア/ドイツ/クロアチア 
ミリャーナ・カラノヴィッチ  ルナ・ミヨヴィッチ  レオン・ルチェフ  

ストーリーは、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエボのグルバヴィッツァ地区。女性たちの集団セラピーに通いながら12歳の娘サラと2人で暮らしているシングルマザーのエスマ。生活は苦しく、子どもがいることを隠してナイトクラブで深夜まで働く日々。一方、父親がシャヒード(殉教者)であることを誇りに思っている活発な少女サラは、サッカー中のケンカがきっかけとなり、同じシャヒードの遺児、サミルと友情を深めていく。そんな中、サミルから父の最期を訊かれ、何も答えられなかったサラは、父のことを話そうとしないエスマに、次第に不満を募らせていくのだったが…。  

第二次世界大戦後のヨーロッパで最悪の紛争となったボスニア・ヘルツェゴヴィナの内戦によってもたらされた深い爪痕に苦しむ母娘の再生と希望の物語を描く衝撃と感動のヒューマン・ドラマ。
終戦までに死者20万人、難民が200万人発生したと言われてるこの紛争なんですが、その他にも心に傷を負った人は数え切れないはずです。
この映画の主人公エスマも、紛争によって心と体に傷を負った女性で一人娘サラのために頑張って働いています。
心に深い傷を負った女性達がセラピーで自分の忌まわしい過去を告白するシーンがあるのですが、紛争というもので女性や子供がどれぐらい酷い被害にあったのかリアルに伝わってきたのでショックでした。
エスマは過去の事を話す事が出来ずに心の奥に過去を閉じ込めて生きているけど、彼女の娘はエスマの辛さを理解出来ずに反抗的な態度をとります。
自分の父親が誰かを知りたい気持ちは理解出来るけど、それを知ったところで環境が良くなるとは思えないのが辛いですね。
娘との衝突でついに堪忍袋の緒が切れたエスマは衝撃の告白をするのですが、あまりにも衝撃的で改めて紛争の醜さを知らされました。

この映画では紛争の傷跡が未だに市民の日常生活に根深く残り、そして支配しているのかを伝えてました。
戦争シーンがない映画なんですが、それでも紛争の悲惨さやその後の後遺症などが良く描かれていたと思います。
女性の方が観た方が男性よりもエスマの子供に対する深い愛など理解出来るはずです。
かなり重たい映画ではあるけど、観て損はしない映画です。

評価花花花花 (3.8)





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最終更新日  2008年10月22日 23時36分17秒
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