50歳になるので記念に何かしようと思いまして
博多が舞台の小説を書くことにしました。
私に文才がないことは既に証明済みのことなので
とんだお目汚しかとは思いますが
暇で仕方がない方とボランティア精神のある方は
お読みになってみて下さい。

きまぐれ連載小説「博多の星になれ」
第1回ソフトクリームデート１

一人の制服を着た女の子がとある博多の小学校の近くの
駄菓子屋の店先の椅子にうつむいて座っていた。

そこに通っている中学の制服を着て来るようにと
一時間ほど前に友達からスマホのトークアプリで
呼び出されたのだ。

「何か頼まんでよかと？」
お店のお婆さんに聞かれた愛宕下蘭子（あたごしたらんこ）は
赤面して申し訳なさそうに事情を説明した。

「ごめんなさい、友達の来るけん、それまでもう少し
待っとかんといかんとです。来たら一緒にソフトクリームば
食べるけん、そん時にお願いしますね」

お婆さんは笑顔で構わないと手振りで示してくれた。
「別によかとよ、どうせお客の少なか店やけんね
お嬢ちゃんみたいな可愛か子に店先におられたら
宣伝になるけん一年中いて欲しかくらいたい」

「ごっ、ごめんなさい、一年中はおられんです」
ますます赤面してしまう蘭子だ。

「あははっ、嬢ちゃん、冗談たいね、本気にせんとよ？」

「はい、ごめんなさい」

するとそこへ隣の中高一貫男子校の中学の制服を着た人が
走り寄ってきた。

「ごめーん、待ったー？」

お婆さんが爆笑して身をのけぞらせるようにした。
「あれま、デートやったとね？彼氏さんなイケメンやね」

「お婆ちゃん、違うとです」

TO BE CONTINUED