キャンディードin帝劇 6月6日
素晴らしい。宮本亜門版がうっすら記憶に残る中、ジョンケアード版はかなりの衝撃だった。めまぐるしい場面展開は同じだが、よりいっそう強烈にメッセージが伝わってくる。ぞっとする場面も多々あるが、嫌な印象は少しも残らない。内容は濃密で、おかしさと重さが入り混じって、観劇後、感動しすぎてヘトヘトに。さすが、改訂を繰り返して練り上げられた作品である!音の始まりとともに、ヴォルテールを演じる市村正親のダンスが始まる。指先の動きまでも魅惑的なダンス。まずこれに震えた。パングロスを演じるのも市村正親。メガネをかけている時が、パングロスだ。演じ分けっぷりがまた見事。本当に器用で天才的だ。セリフは、長く、早く、難しく・・・何度もかんでいたけど、市村正親は、噛んでいる時でさえ魅力的なのは、やはりほんの一瞬たりともワクワク感を抜かないからだろうか。そしてキャンディードの井上芳雄。その名の通り、純真・天真爛漫あの表情、透明感、羽があるような軽さ・・・ぴったりだ。作品の出来もいいし、この二人と、坂健と村井邦夫と・・・千秋楽のチケットを売ろうか迷っていたけど、こりゃ、売れないな。