グラハム・トーマスが開いて一日がたちました。
ますます光り輝く花。冴え渡るさわやかなイエロー。


気高いバラを見ていると、
なぜだか花の中に吸い込まれていく
錯覚に陥ります。花に吸い込まれ、
深い深い花の内部の、そのまた深淵に吸い込まれ、
宇宙にたどり着いて私の体は溶けてゆく。


日々、傲慢にケチにインチキに、
人に迷惑ばかりかけて生きている私も、
花に吸い込まれると宇宙の一部なんだなぁ。




私はときどき人に、
「私のバラの育て方は・・・」
なんて話をします。
話した後で、なーにが「育て方」だ、って
深く反省するのに、ほかにいい言葉が見つからずに
安易に使ってしまいます。


私がバラを育てているのではなく、
バラが懸命に生きているところに、
私は茶々を入れているに過ぎないのに。




この世界は無であると同時に、
原因があるから結果があるという、
因果応報の法則も確かに存在している。


植物は子孫を残すために生きて
種を作り根を伸ばす。枯れた葉は
土中の生物を育てながら分解され、
また子孫の養分となって廻っていく。




無機物を有機物に変える植物は、
全ての生物を育て、支えている。
全ての生物は子孫を残そうと生きて、
やがて死に、土へと還って植物に取り込まれる。


壮大な無の世界。




私はなぜ思うのか。
私はなぜ悩むのか。
他者という存在がいるから思い、悩み、生きる。
他者とのしがらみから逃れるために
自ら死を選ぶ人でさえ、他者との関係の中にある。


他とは何か。
自とは何か。




庭仕事をしながら、そんなことばかり
考えている私は、空前絶後の大バカモノ。
花は、考える暇もなく懸命に生きているのに。


大バカモノの私、
今朝はグラハム・トーマスに吸い込まれて
心はさっぱりさわやかに(*^_^*)
花って本当に素晴らしい。




心がさわやかになった私の目の前を、
ノドの赤いツバメがパタパタと飛び去っていく。
視線を走らせると、今度は陰からこちらを
覗く誰かの視線。


ヒューケラの陰に隠れたクマさんは、
生きているのか、それとも置物なのか。
宇宙で溶ければそんな理さえ無に帰すんだろうなぁ。
バラは宇宙。。。


バラ苗　イングリッシュローズグラハム　トーマス(二年生国産大苗）8号鉢植え
３６７５円

■『音楽と薔薇の園』ホームページ版

【ガーデニング日誌】

【害虫】
アブラムシ テデトール
クロケシツブチョッキリ ブラッシュノワゼットに一匹

【作業】
花壇・鉢花に灌水
カリグリーン＋ダイン ニコロ・パガニーニ花壇＋
グラハム・トーマス