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2006/07/07
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カテゴリ:いろんな雑談
子供に日本史を血肉化させるのに、大河ドラマの総集編を見せるのは効果的だが、それでも時間が長過ぎる。他の科目の勉強に差し障りがある。
しかもドラマだけでは歴史的背景がわかりにくいし、また歴史嫌いの子にとって長時間の時代劇は苦痛である。
私は植物とか昆虫の世界には全く疎い男だが、昆虫のドキュメンタリーを何時間も見せられたら飽きる。それと同じことだ。
大河ドラマの総集編を見せると、歴史好きの子はますます歴史好きに、嫌いな子はますます嫌いになる危険性がある。

そこで、NHKにお願い。
総力を挙げて、原始から現代までの日本通史ドラマを作って欲しい。「まんが 日本の歴史」の映像版である。
総時間は24時間ぐらい。1日2時間で全12話。「第11話 昭和天皇と太平洋戦争」みたいな感じで。永久保存版になるような力作にして欲しい。

ドラマだけでは子供はわかりにくいので、時々CGや図表を使って歴史の状況説明をふんだんに入れてくれれば助かる。
ナレーションは当然「その時歴史が動いた」の松平定知アナが適任だろう。みのもんたでもいいが、彼には生理的嫌悪感を抱く人が多いのが難であり、また軽妙すぎて「プロ野球珍プレー・好プレー」になってしまう。

ドラマの演出は「さり気ない大人の演出」よりも「ドラマチックな劇画調のケレンのある演出」の方が子供向けだ。ただ子供向けといっても、十二分に大人の鑑賞に堪えるものでなければならない。

脚本はわかりやすく、音楽は勇壮に、とにかくステーキの上にウナギを乗せた黒澤映画のような、コッテリしたドラマにしたい。
黒澤さんが生きていて演出してくれればいいのに。

さて、重要なのがキャスティングである。
信長とか秀吉とか家康とか坂本龍馬みたいな人物は映像化されまくってきたので、視聴者にはある一定のイメージがある。イメージとかけ離れたキャスティングは、あまりやらないほうがいい。
西郷隆盛役をナインティナインの岡村とか、坂本龍馬を田中邦衛とか、絶対にそんな冒険をしないほうがいい。キャスティングはオーソドックスにいきたいものだ。

鍵になるのは原始古代の人物のキャスティングである。
原始古代の人物に対するイメージは乏しい。たとえば藤原道長役を誰がやるか、キャスティング係の人は大いに悩むだろう。私のイメージは50代の頃の仲代達矢だが。

藤原道長はまだまだイメージはわきやすいが、金印もらった「漢委奴国王」役になるとお手上げである。どんな人なのか見当がつかない。赤ん坊でも95歳の爺さんでもいい。どんな俳優が「漢委奴国王」役を演じるのやら。

卑弥呼も困る。魏志倭人伝からの情報があまりにも少ないため、年齢も性格も外見も服装もわからない。わかっているのは女性の呪術師ということだけである。卑弥呼役は石原さとみでも深津絵里でも浜崎あゆみでも荒川静香でも黒木瞳でも岸田今日子でも赤木春恵でもいい。
私がプロデューサーなら、卑弥呼役には細木数子を推すけど。

聖武天皇は誰がいいか。
井沢元彦の影響もあってか、私は聖武天皇には「気が弱いオタク」のイメージを持つ。
藤原氏出身の光明皇后の尻に敷かれ、アクの強い親戚藤原四子に気を使い、強度のノイローゼで誰かから襲われる恐怖から都を転々と替え、死の恐怖から逃げたいあまり仏教に過剰に帰依し巨大大仏を建立し、外国の宝物に目が無くコレクションを集め保存した正倉院というオタクの宝物館を造り、とにかく聖武天皇には権力志向の強い反面、臆病なアキバ系の兄ちゃんの匂いがする。
だから聖武天皇役には、「電車男」の伊藤淳史か山田孝之あたりが適任ではないか。

あと、後醍醐天皇は絶対に田村正和だ。これは譲れない。
後醍醐天皇はせっかく建武時代に天皇親政の政体を作っておきながら、わがまま放題を尽くし、武士への恩賞をケチり不満憤懣を爆発させ、もっとも人望のある部下だった足利尊氏を敵に回し、最後は吉野へ逃げたが激しく幕府に抵抗する。

後醍醐天皇は「貴人に情なし」の典型だった。
後醍醐天皇は自己中でプライドが高く、駄々っ子のような幼児性にあふれ、エキセントリックで衝動的で、貴人らしく浮世離れした人だったのだろう。
またその反面高貴で威厳があり、格調の高さとスター性を兼ね備え、わがままでも憎めない部分もあった。
そんな複雑な性格で、味方がどんどん離れてゆく孤独な焦燥感に満ちた後醍醐天皇を演じられるのは田村正和しかいない。
田村正和に束帯を着せ、あの口調で「尊氏め、けしからん」と言わせてみたら、後醍醐天皇にぴったりでしょ?





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Last updated  2006/07/07 07:13:15 PM
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