美術館のショップで何を買いたくなるか。
時と場合によるけれど。チケットの入るクリアファイル、ハガキ、ハンカチ、画集、たまにお菓子くらいに目が行く。お土産無しのことも多いけれど、よほど興味が無いと美術館自体行かないので、何も無しの時は、企画した人のほうが悪いかとでも、本を買うことは、画集以外無かった。何故かそうだった。それがなあ。ボッティチェリ展に行って、テルマエロマエの作者のヤマザキマリさんの偏愛ルネサンス美術論を、何故か買ってしまった。図書館で注文すればとか、耳元で散々人から言われたのに。。。でも、買って良かった。まだ、読み始めたばかりなのに、面白い。展覧会でも絵があった、ボッティチェリのお師匠さんのフィリッポリッピは、修道僧だったのに、祭壇画を描きに行った教会の修道女と駆け落ちして、宗教裁判にかけられそうになったのを、コジモデメディチの口利きで還俗を許されて、結婚してとか、ものすごい工房を持って、大人気で、手広く商売をしていたらしい。しかも、その奥様を描いた時は美しく、他はブサイクにしか描けなかったらしい。一体うまいのか下手なのか。もちろん、うまいのだろうけれど、その差が出るのは、注文を受けている立場なのに、まずいのではないかとか、面白い。この本に、変人って言葉が良く出てくるのだが。その中でも、「粋な変人」ってのが今のところ一番気に入っている。それって結構、各人、心秘かに目指してもいいんではないかと思う。