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カテゴリ:お食事
ミシュランガイドなんか読まずに日本人ならこれを読め! 森まゆみ/明治・大正を食べ歩く(PHP新書) 先頃、『ミシュランガイドTOKYO2008』が話題になりましたよね。 左翼憂国主義者のあたしとしては、あ~ゆうのは面白くね~です。 まず『TOKYO2008』というタイトルが正確でねぇ~よな?紹介されている店は銀座/六本木/などばかり・・でもねえ~ 古くから東京に住んでいる江戸っ子からしたら銀座はともかく。青山/広尾/六本木なんて東京を代表する土地じゃありませんぜ。隅田川を大川と言う人には違和感があるんじゃねぇ~かな? お江戸の代表的繁華街といえば、浅草/上野/深川方面になるんじゃね~かい?ここら辺りから選ばれてね~のはねぇ~。ちと合点がいかねぇ~ あたしの住んでる武蔵野の中野や練馬にも美味め~店もた~んとあるんですぜ! 初版12万部が発売と同時に完売なんだってねぇ~ でも、こういうガイドが出ると、ガイド片手にバブリーなご仁や、お馬鹿な有閑おばばが訪ねたりするんじゃね~かな? 選ばれて喜んでいる店も店だと思うぜ!フレンチを批評するのはともかく、毛唐に寿司屋や和食屋が評価された喜んでいるとはいってえどういうことなんだ!ドンドン(怒りでミャーボー机を叩く音) ☆☆☆に選ばれた店で僕が知っていたのは、魯山人の本で読んだ寿司屋『次郎』だけでした。もちろん行ったことはありません。そのほかの☆☆☆も多分、一生行くことはないんだろうな! 誰か連れて行ってくれないかなと思うが、一方ではそんな店行きたかぁねえよ!と心は知千々に乱れるミャーボーでした。 ちなみに昨日のあたしの昼飯はステーキの神様と自称する新宿西口ルモンドの 『サーロインステーキ(150グラム)定食』1100円でした。 日常的に摂取する牛肉は吉野家の牛丼並みのみなんですが・・・ 誕生日だったもんで、ちと贅沢をさせてもらったんだよ~ 普段は吉野家の特盛だって贅沢な身分なんです。 ルモンドはファミレスより安価な値段から考えてそんないい肉を使っていないはずなのですが、ここのステーキはまじ美味え~です。 1100円のステーキだって僕には、とても贅沢なんだよ~(トホホホ)LOVE YOU ♪LOVE YOU ♪涙の貧乏♪ 僕の夢は小金を貯めて、働きたくないときは遊んで暮らすことだ。 高等遊民とまでもいかなくてもいいから、下っ端遊民の末席に連なり、寄席や古本屋覗きをしたり、購入した古書を持ってうめーコーシー屋へ入ったり、うめ一膳飯屋でごはんを食べる。 夕暮れ時には雰囲気のいい居酒屋でほろ酔いになる。 もともと貧乏性なので、お金はた~んとなくてもいい。むこう2-3年くらい家賃や食うに(酒も含めて)こまらないくらいの蓄えが欲しいと常々思っているのだが。なかなか思うようにならない。 森さんの作家としての仕事は、そんな僕の夢に実に適っているのだ。願わくば、僕は森さんのようにお仕事として、東京ダウンタウン散歩したいのではなくて、純粋な遊びとしてこういうことが出来たらいいなあと思っている。 前置きが長くなってしまいましたが・・ 本の紹介をしたいと思います。 本書は地域紙『ヤネセン』(谷中/根津/千駄木)の編集者として名高い、東京通の作家森まゆみの下町食べ歩き読本です。 > 『どんな名店であっても、庶民である私が自分の財布で行ける店、上限3000円をメドとした』(後書き) 嬉しいじゃありませんか!この予算なら、月に一度くらい・・森まゆみ推薦する店を訪ね、頭の中に描いたごちそう地図を、少しづつ塗りつぶすことも可能ではないか! >「まず『オーナー』とか『スタッフ』とか『オーダー』とかいう横文字の店は嫌いである。大量仕入れ、アルバイトを使いコストをぎりぎりに削減しているような店は嫌いである」(後書き) 日頃苦々しく思っていたことを、ズバリ指摘してもらうと嬉しくなる。 タイトルの『明治・大正を食べ歩く』の通り、紹介された店は、いずれも長い年月を耐えてきた大衆的名店である。 紹介された店で行ったことがあるのは・・・ ☆米久本店(浅草)牛鍋屋です。 かみ様にここで牛鍋をおごったことがあります。そのあと松竹演芸場で落語を聴きました。 かみ様は「うめーな!うめーな!世の中にこんなに美味えーものがあったんだ!」とおっしゃていました。 ☆シンスケ(湯島天神下)居酒屋です。 僕が尊敬していた亡くなった同業者(アンティークトイ&ドールディラー)の坂本侑司(パニポート)さんに、よく奢ってもらって店です。穴子の白焼きというのは初めて食べた。雰囲気とても良いですよ~。 ☆玉ひで(日本橋) 食ったのは、しゃも鍋でなく、お昼の玉子丼ね。甘すぎると思います。何故みんな行列してまで食うのか分からん! ☆たいめんけん(日本橋) B級食堂としては有名ですね。ラーメンがけっこう美味いです。 ☆煉瓦亭(銀座) 海老フライも牡蠣フライもメンチカツもここが嚆矢なのだそうだが・・・ メンチとキャベツとごはんが1500円くらいしたような気がする。メンチに1500円払うのは嫌だ... ☆銀座ライオン(銀座)ビアホール 今日、あちらこちらにライオンビアホールはありますが,建物/内装の雰囲気はここが一番ですね。以前火事に成ったことがありますが・・・その時飲みに行っていれば・・・飲み逃げができたのに!と机をドンドンと叩いて悔しがったミャーボーです。 ☆中村屋(新宿) 本格的インドスタイルのカレーを発売した嚆矢の店ですね。木村屋はあんぱん!中村屋はクリームパン! カレーね1600円くらいしたような気がしますが... 今はそのくらい出せば、もう少し美味いカレーが食べられる気がしますね。 僕が一番好きなカレーは 自由が丘トップス(ケーキ屋) のココナツ・ビーフカレー と デリー(湯島) のカシミールカレーです。 ☆行きたい店は全部だけど・・・ 維新號(銀座本店)ーセロリそば食いたい! 銀座天国本店(天ぷら)です。 天國は以前の木造二階建の店舗は文化財級の美しい建物だったが、固定資産税の高い銀座で1000円の昼天丼を売っていては、やっていけず、やむなくビルにしたそうだ。 銀座天国本店の紹介で森まゆみは次のように記述をしている。 「お金の話は書きたくないが。この間、銀座から次々と老舗が消えていくのは高い固定資産税と相続税のせいだ。『白牡丹』『橋膳』『近藤書店』・・が次々と消え、銀座はいまやグッチやプラダ、アルマーニ、ヴィトンといった外国ブランドに浸食されている。『白牡丹』『橋膳』ほかは銀座の顔であったのだ。 そこにその店がある。これが町の安定であり文化である。なくなったらさびしい。いくら通って支えても税金には追いつかない。記憶の継承が税金によってできない東京、何が都市再生だろうか。百年以上つづく店は。文化財として固定資産税は無税にしたらどうかしらん」 僕は激しく森まゆみさんの意見に共感します。きっとミシュランガイドなんかに振り回される連中が東京の文化破壊者なのだ。 本書は単なる食べ物屋ガイドではなく、東京文学散歩であり、ハイグレードな都市文化論である。 ------------------------------------------------------------------------------------- 12月は零細商人の僕はとても急がしい。小商いだが、いま稼いでおかないと2月が恐ろしい。本が読めないのが悩ましい。 今月読んだ小説は 川上弘美の「ニシノユキヒコの恋と冒険」だけです。 川上は現在の純文学の作家としては最高の作家の一人だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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