|
カテゴリ:ぽちっと思うこと
娘の学校のイベントに行ってきました。
ご自分の戦争体験を話すために 全国を回っている本多立太郎さんの講演会です。 すでに90歳の本多さんはよく通る声で すくっと前を向いてお話をしてくださいました。 その語りかける姿はとても情熱的で引き寄せられました。 今回で、992回目の戦争体験出前噺だそうです。 この出前噺、そもそもは ご自分のお孫さん何かしてやれることは ないかと考えたときに、 自分の体験を伝えていくことが一番だと 思いつかれたそうです。 本多さんのお話は、60年たった今でも その当事の家族との別れ、そして 友人たちの涙、目の前で死んでいくひとたち、 川に浮かぶ血と油、死体、 そういった情景が浮かんでくる、生々しいものでした。 本多さんは今でも本気で話しています。 回数を重ねてもなお、色褪せないのは 本多さんが聴いている私たち ひとりひとりの目を見て 伝えようとする思いがあるからでしょう。 「私はこの出前噺が 1000回に近付いてきて やっと言えるようになりました。 私も人を殺しました。 あのときのことを忘れたことなどないのだ。 もし、私が殺した人の子孫が、 どうしてもお前を許せないというのなら 私は今だって、やつざきにされてかまわない。 私はね、怒っているんです。 人を殺した自分に。そういう状況を作った政府に。 今でも怒っているんです」 そうおっしゃる本多さんの姿には いっさい悲愴感はなく ただただ、真実を伝えるのだと 決意した人の透明さがありました。 そんな本多さんと、その人生に起きた 別れの悲しみに共鳴し、 会場内では大勢のひとたちの涙をふく姿、 そして嗚咽を押さえる声があがりました。 私も熱くこみあげる思いがありました。 そして、戦争の、大量殺人の生々しい 話を聴いているのに関わらず こんな思いが胸にこみ上げてきたのです。 人間が好きです。 なにしろ、人間が大好きです。 この年になって 本当にそう思えるようになってよかったです。 こうして語る人がいる限り 起こったことには意味があり続けます。 私たちはそれを聴いて、 心で聴かせていただいて 次へ渡していきましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ぽちっと思うこと] カテゴリの最新記事
|