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夕方、ほど良く混んでいる電車の中、
座席に座りながら 手帳のスケジュール確認をしていたときのことでした。 横に座っているおっちゃんが話しかけてきたのです。 「彼氏にラブレターでも書いているん?」 その、いきなりの一方的&距離感を縮めて 寄ってきた姿に、とっさに警戒心が発動。 おまけに、 は? ラブレター? こんな忙しいときにそんなどころじゃないわい! 微妙に腹も立てました。 しかし、相手に悪意はない様子。 なので、軽く受け流したのです。 が、、、、、流しても流しても話しかけてきます。 ううーん、どうしよう。 そのときに。 ぴーん! そうか、これも未知との遭遇! 自分との約束をしておくと、 ちゃんと意識のどこかにあるんですね、これが。 そこで、改めて横を見ると、 日雇い労働者風のおっちゃんが片手にビールを持ち、 ニコニコ座っている姿が見えました。 ちょっとびびります。 でも、未知との遭遇。 まずは興味を持ってみました。 すると、興味が強くなり、抵抗が薄れてきました。 そして、降りるまでの二駅の間、 よく喋るおっちゃんの話を聴くことができたのです。 おっちゃんはこう言いました。 「最近は男女平等だねえ、なんだかね。 俺らは親見て育ってるから、変なもんだよ。 母ちゃんは、親父をよく立ててからねえ。 最近は非行とか不良っていうけど、俺には 理解できねえよ。 親の背中見て育ってたら、そんなことできるわけが ねえよ」 ふむふむと聴きながら、ちょっとしみじみしました。 親の背中を見て育つという言葉は ずいぶんリアルですよね。 きっと、経済力や時代背景ではなくて、 親が人間としてありのままに、 いのちを開いて生きていれば 言わなくても大切なものは伝わるのでしょう。 私の父と同じ位の年に見える おっちゃんの話を聞きながらそう思いました。 そして、 この人は親に感謝して生きてきたんだろうな。 迷いもなく、それは当然のことだったんだろうな。 その迷いのなさがステキ。 おっちゃんはその一点でじゅうぶん幸せですよ。 見ず知らずの私に、話をしているおっちゃん。 本気で話しているおっちゃん。 ホントに感じていることを話している、おっちゃん。 そう感じたら、なんだか 旅は道連れ世は情けみたいな感覚が蘇ってきました。 あれ、ここはどこだっけ? 環状線で旅気分です。 じゃあ、ここで降りますので、 と席をたった私に、 おっちゃんは立ち上がり、 「お嬢さん、親を大事にしなさいよ。 親はね、全力で守ってくれるんだよ、 いつだって! また、会おうな!」 と、大きく手を振りながら叫びました。 人情というのでしょうか。いやあ、グッときてしまいました。 私も親になってみて初めて分かったこと それは、親は精一杯やっているということです。 そんなことを、思い出させてくれた おっちゃんとの出会いでした。 家に帰ったら、家族はいるのかな。 おっちゃんも健康で幸せでありますように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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