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ライフコーチあまみ 悠の『優しいきもち』

ライフコーチあまみ 悠の『優しいきもち』

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ライフコ-チの天海 悠(あまみ ゆう)です。
大阪でコーチング団体のマイコーチジャパンを
運営しています。


ブログランキングにいつも協力して
くださっているあなた、どうもありがとう。



         ゜☆.:*:'゜♪.:*:'




いつか、自分の店を持ちたい。

それは彼にとって、本当に叶えたい夢でした。

そのために、がんばって貯金を
続けてきました。

けれど、三年前、彼はその貯金を
マイホームを購入するために
家の頭金にすることに決めたのです。

だって、

店主になったなら、
休みの日に子どもと遊ぶ時間はないでしょうし

それに、なんといっても水商売ですから
いつ、つぶれるともかぎりません。
というよりは、成功するかどうか
分かりません。

そんな危険な賭けをするよりは
家族にとって良い方法を選んだ
ほうがいいと思ったのです。

だから、彼は
店ではなく、家を買いました。

それから3年。


彼は
慣れきって面白みのない仕事が終わり、
終電2つ前の通勤電車に揺られ、
疲れた足を運んで、あのとき
買ったマイホームに帰っています。

そして、みんな寝ていてシーンと
した暗い玄関、もしくは起きてはいるけど
不機嫌な顔をした妻がテレビを見て
いる居間を通ります。

休みの日には疲れてしまい、公園に
出かけるのもおっくうです。
たまには、、と思ってはいるものの
子どもたちも友だちと遊びにいっているし
まあ、いいかと、テレビを見ながら
ごろっとしています。

妻とフツーの会話は続けてはいるけれど
もうずっと、笑顔を見ていません。
笑いあったり、抱き合ったりも
していません。
イライラしているけれど、これといって
原因も知らないし、聞きもしません。


三年前、家族のために、夢をあきらめて
そして、三年後、彼が得ているもの。

得ているはずのものが、得ていないことに
彼は気づかざるおえません。


彼は電車の窓から見える、夜の街を
見ながら、深いむなしさに襲われます。

そして、自分にこう問いかけました。



「俺の人生はいったい何なのだ?」




俺は、あのとき、自分の夢をあきらめた。
家族を幸せにしたかった。

あきらめたのに。
あのとき、あきらめたのに。

お前たちのためだった。

なのに、なんで
お前はそんなに不幸そうなんだ?

なんで、俺はこんなにみじめに感じているんだ?


彼の中には、いきどおりのない怒りと、
くやしさ、そして孤独がイヤな感覚を
ともなって押し寄せてくるのでした・・・



そんなもやもやとした日々の中で
彼はある日、知り合いのコーチの女性に
なんとはなしに愚痴をこぼしたのです。
そんなに深い意味はなかったのですが
なんとなく話してしまったことで、彼は
少しだけ楽になりました。

そのとき、コーチは、
じっくりと話を聞いたあと
彼にこう、問いかけました。



「本当はどうしたいの?」

   ・
   ・
   ・
   ・
   ・

「本当は、何を恐れているの?」

   ・
   ・
   ・
   ・
   ・


わけの分からない質問だな。

彼はそう思ったので、そのときは
答えませんでした。



しかし、その質問は
彼の中でいつのまにか
発酵していったのです・・・



そして



ある日、


彼の中にいきなり、質問の答えが



ゴゴゴゴッ


ガーンッ


雪崩のような気づきとなって起こったのです。




「ああ、俺は本当は
 
 家族を言い訳にしていたんだ!

 本当は・・・
 一歩前に踏み出すことが怖かったんだ!

 リスクを追うのが、怖かったんだ。

 失敗するかもしれない、
 失敗したら家族を不幸にするかもしれない。

 なによりも、失敗したら、
 家族に、非難される。
 家族に、見捨てられる。

 それが怖かったんだ!!

 見捨てられたくない!

 そんな思いはしたくない!

 自分はダメだと感じたくない。

 ・・・っていうことは
 ああ、俺は、あんまり愛されていると
 思えていないんだ。
 
 第一、俺が失敗したら、あいつは俺を
 見捨てるだろうと思ってるんだ。
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
 
 でも、よくよく考えてみれば
 あいつは俺を見捨てるような女じゃない。

 あいつはずっと俺の側にいてくれた。
 
 なのに、俺はあいつに嫌われたくなくて
 店をやることにびびっている俺を知られたくなくて
 お前たちのためだよと言って、本当は
 俺は心の中でそれを分かっていたんだ。
 だから申し訳なくて申し訳なくて
 情けなくて情けなくて、ますます、俺から
 心を開けなくなっていたんだ。

 本当は、俺が俺を信頼できないんだ。
 だから、俺はあいつも信頼できないんだ。
 俺はそこらへんを
 見てみないふりをしてきたんだ・・・

 だからだったのか、あいつはずっと、
「あなたは自分にウソをついている」って
 言ってた。

 あのときは、何言ってんだ?アホかと
 思ってたけど・・・ 」




その気づきと共に、彼のこころには
自分が恐れのあまり、逃げていたことで
家族を信頼できず、夢をあきらめた理由も
家族のせいにして、不満を持ち続けて
いたことへのすまなさが、涙と共に押し寄せてきました。

逃げていたことで、どれだけのものを
失ってきたのか、どれだけのことを失いそうに
なっているのか。

そして、その涙と共に、しばらく感じていなかった
感じる愛や感謝も湧き出てきたのです。

その自分と共に生きている相手への感謝が。


彼の夢をはばんでいたのは、
「失敗したら見捨てられる」という
彼の恐れ。

それが、彼の中で、明確になったのでした。

そういった無意識下の恐れに
彼の夢は追いやられていたのでした。

そして、
自分の夢を見捨てたとき、彼は
自分もそして家族をも見捨てそうになったのでした。

そして、
自分の夢を見捨てたとき、彼は
自分への誇りも、そして家族への愛も
見捨てそうになったのでした。


本当に大切なものを、いつのまにか
気づかずに、傷つけて、それすらも
気づかずにいた自分。

信頼されていないと感じていたのは
実は、自分が信頼していなかったから。


それに気づいた彼は
新しい可能性を持つことを決めたのです!

それは



「自分も家族も幸せにする」




その可能性を持った瞬間、彼の中に
ずーっと感じていなかった、力強さが
エネルギーが、生きている感じが
ひしひしと押し寄せてくるのを感じたのです。






今、彼は着々と開店の準備をしています。

家から徒歩三分の立地に好条件のテナントを
見つけました。
ここなら、子どもだちも学校帰りによって
軽食を食べたり、夜には夕飯を食べに寄れるでしょう。

妻ともいろんな話をするようになりました。
彼女も話してくれるようになりました。

なによりも、店のことを一番に応援して
くれるのは彼女だったのです。


彼にとって以前は問題と感じていたことは
立ち位置を決めたとたんに、解決方法が
見つかって、無理なことではなくなりました。


そう。

彼は「本当はどうしたいの?」の答えを
生きる勇気を

そして、「本当は、何を恐れているの?」の
答えを手放す勇気を持ったことで

出口がどこにあるのか分からない
迷路のようだった問題から抜け出たのです。

このように事実は、まるで小説のような
ときがあります。

そして、小説においては
ヒーローは目的を達成する前に
必ず、困難を乗り越える場面があります。

なぜ、困難かというと
目的地にはたいがい、そのままの自分では
超えられない壁があるからです。

なので、ヒーローは自分をバージョンアップ
させて超えていくしかないのです。

もしかしたら、私たちが目的を達成する前にも
困難を乗り越える場面があるかもしれません。

そのままの自分では超えられない壁を
私たちは自分をバージョンアップさせて
超えていくのかもしれません。

そして、壁を超えるとき、いらない
荷物があるとしたら、それは「恐れ」

私たちは、本当は
欲しいものを手にいれることが
怖いのです。

幸せになることが怖いのです。

だって、私たちは、恐れを手放すには
本当の勇気が必要ですから。


それは、自分を信じる勇気。
それは、愛を選ぶ勇気。

自分は自分でいいんだ。

自分は壁を超えて、欲しいものを
手にいれていいんだ。

自分は愛されているし、愛して
いいんだ。

そう思えた瞬間、

私たちは壁を超えているでしょう。

恐れを超えて、自分を信じる。
恐れを超えて、愛を選ぶ。

そんな勇気を持った人に
乗り越えられない壁などありません。






いつか、自分の店を持ちたい。

それは彼にとって、本当に叶えたい夢でした。

そして、もうすぐそれは
夢ではなくて現実になります。

それも、願っていたより、もっと
素晴らしい結果と共に。

これからの彼は、大切な家族と本当の自分を
分かち合いながら進んでいくでしょう。

もちろん、失敗はあるでしょう。
うまくいかないときもあるでしょう。

けれど、本当に大切なものを大切にして
分かち合って、自分を信じて生きる彼なら
乗り越えていけるのは当然。

だって、今度は仲間がいますからね。
(もともといたのですが)

旅をして壁を乗り越えて
望むものを手にいれるヒーローには
仲間が必要。

信頼しあう仲間がね。

彼は仲間を改めて、得ました。

彼の夢を応援し、彼の勇気を尊敬し
彼と共に生きたいと望む仲間です。

今度は、本当の仲間です。





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Last updated  2006.09.30 14:47:17
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