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カテゴリ:音楽
今日は日本で迎える大晦日、夕方5時を過ぎるともう外は暗闇、年越しの食卓を囲むまでにまだ時間はある、と思ってメールをチェックしたらとんでもないお知らせが入っていた。
クラシック音楽夜話のMusikerさんから「ベートベン全交響曲演奏会インターネットストリーミング配信生中継のお知らせ」である。急いでURLを開くとちょうど休憩時間で次は第6番「田園」が17:50からとなっていた。演奏会は午後1時から始まっていてすでに1番から4番までは終わってしまっていた。ちょうど暇つぶしにでも聴くかなと思ってスピーカーの結線をチェックしたりしたり演奏者を調べているうちに始まってしまったがとても暇つぶしに聴くようなものではないことがわかった。 このインターネット中継「慶応義塾大学がアアジア地域の高等教育」に貢献することを目的にパートナー大学にリアルタイムの授業中継や講義を行っているSOI(School On Internet)のネットワークを使用してアジアの14ヵ国の大学を通じて全世界に実況中継される試みでもあるとのこと。3D,HDの高品質の映像を3D大画面、5.1チャンネルのサラウンドでの実況中継が行われているとのことだ。 この演奏会の中身を調べているうちに大変な代物であることに驚いた。生演奏は東京文化会館で午後1時から行われその指揮者、演奏家たちの顔ぶれも凄い。なにせ10万円席を頭に、当日売りは3.5万円席が残り数席のみというものだ。 指揮者は80歳のロリン・マゼール氏、演奏は岩城宏之メモリアルオーケストラである。80歳の氏が10時間にも及ぶ指揮をまっとうできるのか、とにかく大変な代物だ 一方冠オーケストラの冠たる岩城宏之氏は2006年に73歳で没した日本が誇る名指揮者の一人でもある。私事ではあるがこの岩城宏之氏に20数年前メルボルンの鉄板焼きレストランで遭遇したことがある。当時氏はメルボルン交響楽団の主席指揮者を勤めており丁度小生が訪れたメルボルンに指揮のために訪れていたのだろう。 氏はメルボルンの人々に愛され1987年には同楽団の終身桂冠指揮者に就任されている。またNHK交響楽団の指揮者も長年勤めており音楽を愛する人々には氏が指揮するN饗の演奏会を何回も聞いたことがあろう。 5時50分から始まった第6番Pastral=田園の演奏は素晴らしかった。その情景が本当に目に浮かばせるような時に穏やかで、時に楽しく、時に激しく耳に響いた。というのもインターネットで中継される画像、音質が素晴らしかった。画面横に視聴者から届くTLが面白く、新しい音楽の聴き方を示唆するような気もしたのだ。「こんな時代がくるなんて長生きするものだ」とか「とにかく凄すぎるこの画質、音質」とか、「あ、○○さんも出ている」とか、クライマックスにくると「きた、きた、きた」とか「ティンパニーさん、そら行けー」とか「溜めて、溜めて」とか、中にはネット環境がよくない国の人かな?から「あ、切れちゃった」などと言う声も届きとても楽しかった。純粋に音楽を楽しんだとはいえないかもしれないがとにかく面白く、楽しく、感激ものであった。 とにかく音楽、演奏もさることながら画質、音質が素晴らしくTLでも立てられていたようにインターネットでこんな時代がくるのかと思うほど素晴らしい画質、音質であった。 第6番「田園」がおわりしばらく休憩が入るかと思いきや、80歳のロリン・マゼールさん3分も立たないうちに再登場、すぐさま指揮台にあがり第5番「運命」をはじめたのだ。第一楽章は今まで聴いた「運命」の中で一番早い特急「運命」号であった。TLでも「早い、早い」などというTLが立つ。第二楽章に入りこれはまたゆったりとして時には「もう疲れてやめたのかな」と思うほどテンポをゆっくりとして緩急をつけた演奏である。第3楽章から第4楽章になだれ込む凄さ、終楽章に向けて爆発する力強さ、とにかく凄い演奏であった。TLでも「凄すぎる、涙が止まらない」とか「こんなに泣かせる」などたくさんの人を感動させる演奏でもあったのだ。 今年の年末一番の贈り物であった。全曲堂々と指揮されたロリン・マゼールさん、楽団員の皆さん、実況中継に携わった皆さん本当に感謝します。 この演奏会の模様は2月6日(日)午前11時から午後6時30分までスカパーでハイビジョン独占放送されるとのこと、だれかスカパーと契約している人、録画してくれないかなあ。 放送チャンネルは「スカチャンHD191」「スカちゃん181スカパー!e2*スカチャンHD801 コピー制限はアナログテープ可、デジタルCD1回可となっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.04 23:40:22
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