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カテゴリ:気候
大騒ぎした洪水もBangkok都内の中心部は懸命のSandbag(土嚢)積によってなんとか被害を免れたが土嚢の外側の洪水に見舞われた住民には多大の被害と苦痛を与えてしまった。
都心で洪水にあわなかった人々はこれらの土嚢の外側にいる人々の犠牲によって免れたことをどれほどの人が感じていることだろうか? 今回の洪水の原因はいろいろな観点からマスメディアで報道されている。それらを見ていくと身近に感じていたこともあるし、いままで我らが知らなかった事もある。 身近で感じられたことは今年の雨季の到来が早かったことである。普段は雨季の始まりは5月中旬ごろから雨が降り出すのであるが今年は4月の初旬ソンクラン休日の頃にはもう雨が降っていた。ということは雨季の期間が長期化しその間に降る雨量が多いということになる。 もうひとつは台風(タイの)といっても日本人にはぴんとこないのであるが熱帯性低気圧による大雨がたびたび襲ったことである。Bangkokにいては感じなかったのであるが6月には台風「Haima}が襲来しタイ中部のSakae Krang川、Yom川、Wang川の堤防を決壊させピサヌローク、スコタイ、ピチット、ナコンサワン県を洪水に巻き込んだ。 さらに7月から10月までの間に4個以上の大型台風が襲来し大雨をもたらした。通常は年間2個から3個の台風襲来なのであるが今年は5個以上の大型台風が襲った。 これらの大雨でタイを代表するプミポンダム、シリキットダム(ダムの名前に国王、王妃や王女など王族の名前がつけられている)の貯水量が急激に増加し、放流の調節がうまく行かずに一気に放流したような格好になって下部流域を洪水に巻き込んだことを指摘する声もある。 下のグラフでわかるように各年のプミポンダムの貯水量を比較したものであるがことしの赤線は7月から急激にグラフが立ち上がって貯水量が増加しており9月中には満水状態となっている。 日本では急峻な地形により大雨が降っても大方は3日のうちに海に放出されるというが、ここタイは平坦な地形で上流から海に放出されるまで3ヶ月以上かかるのだそうだ。次から次に襲う台風の大雨を海に放出する暇もなく巨大な水の塊となって洪水になってしまったということである。通常はお米の二期作に備えてダムにかんがい用の水を溜めるのであるがこれを気にして放流のタイミングが遅れたといわれるが急激な水量の増加に追随できなかったのが事実であろうかと思われる。 一方人為的なミスとして政治の混乱を揚げることも聞く。タクシン政権時代には灌漑の予算もきちんと取られていたのがクーデターによる失脚から政権が変わり民主党政権では灌漑に積極的ではなかったとの報道もある。やはり安定した政権下で着実に進めることが重要なのである。 国政を預かるタイ貢献党(タクシン派、首相はタクシンの妹Yingrak女史)と都政を預かる民主党(前首相アピシット党首)の対立で運河の水門を開ける、開けないの論争も報道があった。今回の洪水対策の不手際で指導力低下を指摘する声もあったがおおかたは想定外の自然災害という事で首相の辞任を求めるまでには至らなかった。 その他には樹木の伐採などで地域的な貯水量が減ってしまっていることもまた指摘されている。昔のタイの家屋はチーク材を使った建物が旧家で見かけるが現在はタイではチーク材はほとんどが隣のカンボジャから運ばれてくる。自然をもっと謙虚に見つめなおすことが求められているのではないか。 日本でも今年は近畿地方を襲った豪雨で甚大な被害が出たが異常気象が世界的におきているの今日この頃ある。世界的な気象観測網を充実させ地球規模での観測体制を築き、災害に備えること、地球温暖化など差し迫った問題に早急な手を打つことが求められている。日本はその道での先端技術を駆使したリーダーとなることもまたひとつの道ではないのか。 ちょっとどこかの新聞社の社説みたいになってしまったがタイの洪水を見聞きした中から総括してみました。 今日はクリスマス。3年ぶりに旧友が(といっても私の弟子なのだが)尋ねてきた、普段ならどこかへ繰り出すところであるが話が弾んで家食となった。得意の根菜の煮物、ごま油でさっと炒めてだしで味付けしたサラダ(こってるー!)、刺身(富士スーパー)おみおつけ。何とかさまになった。友は昨日から3日まで正月休みだというので根菜煮物を2日分ぐらい持たせたやった。 Merry Cristmas and a Happy New Year ! 来る年が平穏な年でありますように ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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