向日葵の咲かない夏 道尾秀介
文庫: 470ページ 出版社: 新潮社 (2008/7/29) 先が気になり、どんどん読んでしまうホラーミステリー。 好みが別れそうな作品ですが、どんどん読ませる、という点では素晴らしい作品なんでしょうね。 死んだ人間が幽霊になって現れる・・・。 幽霊ではなく、実は蜘蛛なんですが。 生まれ変わって蜘蛛になっちゃうのです。 記憶を持ったまま、まるっきり姿形が違う生物に生まれ変わってしまったら・・・嫌だろうな。 小学4年の夏休み。 犬や猫の手足が、関節を逆に折られ、口には石鹸をくわえさせられた状態で殺される事件が頻繁に起きていた。 ミチオが不登校で休んでいるクラスメイトの家に宿題を届けに行くと、なんと本人が部屋で首を吊って死んでいるのを発見してしまう。 すぐ学校に戻り報告をする。 だが、担任が警察と一緒に家に行ってみると、首吊り死体がなくなっていた。 いったいどういうことなのか。 1週間後、ミチオの前に、死んだS君が現れた。 S君は蜘蛛になっていた。 母親に見つかると殺され捨てられてしまうので、ビンの中に入れた。 「担任の岩村先生に殺されたんだ」とS君は言う。 S君の家の隣に住む泰造老人は、S君が誰かと話しているのを聞いたという。 その泰造老人は、車にひき逃げされた少女を見て、幼い頃の恐怖が蘇った。母親が足を折られて殺された記憶が・・・。 S君は誰に殺されたのか。犬猫を殺しているのは誰なのか・・・。向日葵の咲かない夏