錆びる心 桐野夏生
文庫: 249ページ 出版社: 文藝春秋 (2000/11) 桐野さんの短編集。 桐野さんの短編を読むのはじめてかなあ。○虫卵の配列 非常に気の合う芸術家の男に巡り合い、この世に存在するもうひとりの自分なのではないか、と思ったくらい気が合った。 結局は別れてしまい…。 女教師である先輩と後輩が男について語り合うのだが…。○羊歯の庭 父の書店を継いで家計を支える一方、自分の絵描きの才能を認めてくれない妻。いっそのことすべてを投げ捨てて絵書きに没頭したいくらいだ。 やがて15年ぶりにかつての恋人に会い…。○ジェイソン 酔っ払って家に帰り妻に何をしたのか「しばらく家に帰ります、連絡しないでください」と置手紙が。 女子大で教鞭に立っている夫は、酔っぱらうと「ジェイソン」になり暴れるという事実を聞かされ…。 ○月下の楽園 広い庭園のある屋敷の離れを借りて住むようになった塾講師だったが、無愛想な女主人が気になりのぞいていると、犬に見つかってしまい…。○ネオン 岩手出身なのに極道にあこがれて広島弁をしゃべる男は舎弟にしてくれと…。○錆びる心 夫の奴隷はもういやだ、と10年前から計画していた「家出」を夫の誕生日に決行。 住み込みで家政婦の仕事を探し…。錆びる心