硫黄島からの手紙
2006年(米)クリント・イーストウッドが監督・音楽・製作。「父親たちの星条旗」とあわせて渾身の二部作です。こちらは後から見ることをお勧めします。先んずこれは、今からわずか60余年前(1945年2月16日 - 1945年3月26日)に硫黄島で日米両国が激突した史実を描いている。この戦闘では日本軍20,933名の守備兵力のうち20,129名が戦死、米軍も戦死6,821名、戦傷21,865名におよぶ激戦。私も一度この島を訪れたことがあり、この作品への思い入れの源泉となっている。実は、この作品を見る以前に2006年8月に放映されたNHKスペシャル『硫黄島 玉砕戦 ~生還者 61年目の証言~』で、生存された元軍人が語られた硫黄島の壮絶さに驚愕しました。この作品では、そのような描画は抑えられており、クールな視線で描くことで「戦争とは何か」「正義とは何か」を、そして「争いに勝者はない」こと問いかけてくる名作です。