LOOPER/ルーパー
2012年【米・中】 近未来から現代へのタイムトラベルものは、パラドクス(矛盾)によるストーリーの破綻との勝負であるが、それに加えて超能力まで持ち出して、テンコ盛り過ぎ。たしかに、「過去へ遡ったタイムトラベラーが自分自身を殺害した場合、どのような効果が発生するか」という点では、本作は成立しているし、大局的には一時的なゆらぎは、程なく収束し未来の方向性に大きな影響を与えないとする立場もある。これらは、時間軸は唯一無二かつ一定方向にのみ進行するとの仮定に拠るが、テンコ盛りついでに、時間軸が分岐し元の世界と並行した別の世界が生まれるとするパラレルワールドの概念を取り入れるのも一興かと思う。