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カテゴリ:読書関連
おひとりさまの老後 久々に「売れている本」を買った。「カラマーゾフの兄弟」以来か? (それにしても、「生物と無生物の間」や「カラマーゾフ」がよく売れるってすごいことだと思う。知的好奇心の高い国民なのか) 今回買ったのは「おひとりさまの老後 (上野千鶴子著)」である。上野千鶴子の著書でベストセラーになったものなどかつてあっただろうか。おそらくないのではないか。 いつものようにまず目次を読む。そして前書きと後書き、奥付。たった6日で2刷だ。 目次で興味のあるところをパラパラ読む。ひとつの話題が短くまとめられており、また平易な言葉で書かれているので読み易い。老後という関心の高いテーマもあるが、この平易さというのも売れている要因に思う。 * さてこの中で最近感じたことと深く繋がることに出くわした。 本書116頁から引用~(「ハイテクで守る要介護者の権利」の項より) 「介護保険制度には「住民参加のDNAを埋めこんでおいた」と言うのが、前出の樋口恵子さん。つまり3年に一度開かれる自治体の介護保険事業計画策定委員会を、住民参加方式にしてあるのだ。 ところが実態は、自治体の選ぶ委員のほとんどが、学識経験者や専門家、サービス事業者の代表、家族の会のメンバーなどで、かんじんの利用者がいない。利用者の声なくして、なんの住民参加かと思う。サービスは、利用者ニーズに合わせてつくられもの。ニーズに合わないサービスを提供しても見当違いのムダに終わる。それなら「わたしに聞いて」と利用者が主張する必要がある。」 (太字は大矢)~引用終わり。 太字にした部分、委員のほとんどが学識経験者云々の箇所であるが、全国ほとんどの「委員会」の「住民メンバー」がこれじゃないだろうか。 私もいくつかの委員会メンバーに選ばれて出席した経験があるが、公募の人もいるが少なく、成員のほとんどが組織の代表。私の場合は「委員会等の成員に女性の割合を3割以上にする」という男女参画社会推進条例のためで、小さい組織でも代表と名がつくので選ばれたのだと理解している。 ある委員会メンバーの時に思ったことは、学校教育や子育てもテーマであるのに、どうして子育て真っ最中の人がいないのかということだった。かつて子育てをした人たちもいらっしゃるし、上記テーマ以外もあるので、広範囲に渡って話し合いたいということもあるのだろう。 がしかし、現在の状況を最もわかっていて、ニーズを多く持っているのは現在子育て真っ最中の方だろうに。 せめて会議録が誰でも読めるようにと、ホームページで閲覧可能にしてもらったが、やはりこの思いは強くある。 このことを更に感じる出来事があった。詳細は控えるが、ニーズを持った人の意見が方針に現れていない。そもそも意見を言う機会・聞く機会がない。将来的な方向としては出された方針がベターであろうと思うが、その結果を出すまでの住民とのやり取りの不足を感じた。 方針に異議を唱えた彼女のような人こそ、委員になるべきと思う。 それには会議開催日程の変更も必要だ。平日の昼間に参加できる人は限られているのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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