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カテゴリ:読書関連
そうだ、今日は満月だったと思い出し空を見上げると、煌煌と輝いている。雲一つない。
思春期ポストモダン 思春期ポストモダン 成熟はいかにして可能か(斎藤環著 幻冬舎新書)読了。 著者は思春期・青年期の精神病理学、病跡学が専門の臨床医。「ひきこもり」の治療・支援・啓蒙活動の第一人者。1961年生まれ。 メール依存、自傷、ひきこもりなど「非社会化=未成熟」で特徴づけられる現代の若者問題を、社会のせい、個人のせいと白黒つけることに何の意味もない。彼らが直面する危機は、個人の未熟さを許容する近代成熟社会と、そこで大人になることを強いられる個人との「関係」がもたらす病理だからだと著者。 「病因論的ドライブ」という仮説に基づきながら、解決を志向しつつ、豊富な臨床例からそれぞれの問題と向き合っていく。「思春期のリアル」をとらえるためには、関係性の中に身を置くこと、ひたすら関わり続けること、そうした関わりの中で「関わり方」「考え方」を常に更新続けることという著者の姿勢に好感。 共著である「バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?」もよかった。 のりたまと煙突 のりたまと煙突(星野博美著 文藝春秋) 写真家、作家。1966年生まれ。 「謝々!チャイニーズ―中国・華南、真夏のトラベリング・バス」(1996年)が非常によく、「転がる香港に苔は生えない」(2000年)で更に好きになった人。 本書は著者の日常で感じたことを綴ったエッセイ。深い洞察と筋の通った生き方に好感。 のりたまとは、著者が飼うことになった野良猫につけた名前。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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