2006年公開の窓
脳波に刻まれた旋律が私を再び震わせた失いそうな現実を取り戻す為に自分の中のそれを呼び戻そうと何気なく覗いてみただけなんだけどあなたみたいな複雑でヒリヒリとした鋭さを持った人がやっぱり好きだ一緒に歌うこともおこがましいとただひたすらほれぼれしていた黒斑眼鏡にかかるうざったい髪と猫背 細い顎と喉仏のラインが黄金比だと鍛えていない細い身体 カジュアルな服装言葉の一言も聞き逃さない様に意味の裏を探る様に 息を潜めてみていた今でもそれは間違いなかったあなたは本物サビで乱れる顔も 高音で外れる声も全て完璧だったあなたみたいになりたくていつもいつも足跡をなぞっていたあなたと恋愛してみたかった特別な存在になりたかったけれど、けちょんけちょんにされてもいいとも思った私が今は思いもつかないような媚びてなくて 博識で ウェットにとんだ可愛げのある言葉で挑発してみるそしたらきっと期待を裏切る最高のリアクションをしてくれるはずだそんで私には手に追えなくて私の方から見切りをつけて逃げ出してやるんだそこまで含めて最高だったということを忘れていた案外 私が進んだ道は間違いではなかった誰かにすがるでもなく孤独を抱えながらニヒルな ニッチな市場を好んでいたアイロニーとか焦燥とか好きだったそれに似合う装備を強化しながら決してイケメンでは無いあの人のことを好きになったことも誇らしかった若かったなー 一曲終わるごとに波紋の様に音を散らして余韻を持たすその手法 抜け出せなくなるあの瞬間が、頭の中でいつまでも反響し続ける『気がついたらポケットでにぎりしめてぐしゃぐしゃになってしまっていたけど時がたっても思いはまだ色あせない手を伸ばして君のありかをさがす見失ったここがはじまりだよね そうだね』