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テーマ:DVD映画鑑賞(14195)
カテゴリ:映画
スターリングラードとは、第二次世界大戦でもっとも激烈と言われる戦闘がおこなわれたソ連の都市名です。
ヒットラーは数ヶ月で落とせるだろうと兵を送り込むのですが、ソ連側の必死の抵抗にあい、戦況は泥沼化していきます。 そのスターリングラード戦でプロパガンダに利用され、英雄とされた狙撃手ヴァシリ・ザイツェフ(ジュード・ロウ)が主人公です。 主人公がソ連の人なので、当然、ソ連軍の様子が描かれているのですが、人を人とも思わない兵士たちの扱いには目を背けたくなるものがありました。船の上で空爆を受け、恐ろしさのために河へ飛び込んだ兵士を「逃亡者だ」と背中から打つ上官。二人に一丁の銃しかもらえず突撃を要求され、ただ殺されていく兵士たち。でも独裁国家では歯向かう者は死刑なわけで、末端の兵士にはどうしようもない。逃げることも出来ず、突撃してはバタバタと死んでいく様子のむごたらしさ。 現実にこういうことがあり、たくさんの人の命が失われたことを考えると、どんな理由をとりつけようと戦争はやってはいけないことだと強く感じました。 ただし、この映画は第二次世界大戦を描きたかったわけではないらしく、登場人物がみーんな「英語」で喋っています。そこはちょっと興ざめだったなぁ。 それにしてもジュード・ロウの美しいこと。澄んだ青い瞳に、悲しみ、怒り、喜びが浮かんでは消えていくのですが、吸い込まれそうになります。「ガタカ」の時にも「なんて美しい!」と思ったけど、本当に端整な顔ですね。 ヴァシリはプロパガンダに利用され英雄に祭り上げられるのですが、名前が売れたせいで敵からも憎悪の的にされます。ドイツ軍のケーニッヒ少佐(エド・ハリス)も優れた狙撃手なのですが、彼はヴァシリを倒すため、ベルリンからやってきます。二人の戦いの行方こそが、この映画の見所でしょう。エド・ハリス、渋いです。 どうせなら、男同士の息詰まる戦いの物語にしておいてくれればいいのに、恋愛話が挿入されています。ヒロイン・ターニャをレイチェル・ワイズが演じています。ヴァシリとターニャのセックスシーンがあるのですが、兵士たちが雑魚寝しているなかでの声を殺しての営みは、なまめかしいというよりハラハラしちゃってなんだかなぁ。しかも、ヒロインが爆撃を受けて助からないだろうと思わせておきながら、最後には生きていてハッピーエンドってのが、かなりマイナスかも。不自然だよ~いいじゃん、死んじゃっても。 戦場を舞台にした、一対一の男の戦いを描いた映画であれば、満点を付けたかったけどなぁ…惜しい(-_-;) ジュード・ロウのファンの方は必見の作品。目の演技にやられます。あんな目で見つめられたら、金縛りに合いそう(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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