タロットを読む友人が自分のことを読んで。。

「本当はダメなんだけど、やっぱり見てみた。
　自分のこと。
　
　でも、やっぱりダメなんだよね。
　タブーを冒してまで・・・

　どうしても見てみたくて。」

タロットには見てはいけないものがあるらしいけど、私はそれをまだ知らない。

私はまだそこまでのレベルに達していないのだけど。

タロットはやっぱり人の人生を背負ってしまうのだろうか。

正確すぎる過去の後に、受け入れがたい未来が見えると、一瞬言葉に詰まってしまう。

「これはどう読むんだろう。

　こうなるように、タロットが仕組んでいるのだろうか・・・」

まさかとは思いつつ、言葉に注意して言葉を発する。

このカードに現されている最悪のシナリオを避けるよう、他のカードを見ながら回り道をして未来に向かう。

「ちょっとだけ延期されたみたい。時間が少しだけ長くなった。」

その未来を延期することがタブーなの？

何となく、未来の何かと引き換えに、欲しいものを手に入れているのかと感じた。

そう、私たちはどんどん死に近付いて過ごしている。

それは目の当たりにしていないだけで、疑うことの無い事実だから。

未来の幸せを後回しにして、その手前にある自分の今の幸せを優先する。

その未来の幸せは、あるかないか今の自分にはわからないから、今ある幸せをつかんで離さないのだろう。

今の幸せを離さないだけでも、充分辛いのだから。
それを責めることも、薦めることも、他人にはできないのだろう。

私はただ、その友人の幸せを願っているだけ。それだけなんだけど。