Ｌｉｆｅ　Ｓｔｙｌｅ　Recipi

今から７年前私は Ｋ という会社に転職した
前の会社を退職し公園をフラフラ歩いていたら
Ｋ の社長に誘われたのだ
（前に辞めた会社と同じ職種だったので顔は知っていたのだ）
「うちの事務の女性がもう高齢を理由に辞めたいと言ってるから
良かったら来ないか？」と言う事で
その時就職活動をしていた私は飛びついた
その女性はなんと７２歳だった
女学校を卒業した年に母が亡くなり
年の離れた妹の為に婚期を逃し今だ独身で
すーーーーっとその会社に勤めている人だった
７２歳と６５歳の女性
社長が６５歳、常務が６０歳、非常勤の人６５歳
そして施工管理の人３２歳という小さな会社だ
引継ぎは結構辛かった
なんせ私は今までパソコンで仕事をしていたのだが
全部手書きなのだ
私は字が大きい
彼女はまるで新聞の活字のように小さい字を書くので
とても苦労した( ゜＿゜；）
でも自分で書いた字をルーペを
使って見たりしてるのは結構笑えた
一度何故そんなものを使って見るのか尋ねたことがある
字はもう感覚で書いているので今までどおり
小さい字を書くのだが読むとなるとやはり老眼なので
ルーペを使わないと読めないのだそうだ
とにかく何事も丁寧で私はとても勉強になった
（もちろん彼女が退職した後は全部パソコンにしたが）
しかしもう一人の６５歳の女性とはとても仲が悪かった
女のいがみ合いというものを知らなかった私は
７２歳の女性が退職するまで壮絶な争いをみたのだった
私はその６５歳の女性とうまくやっていけるのか
少し心配になったが７２歳の女性が退職したあとは
とても可愛がってくれた
マツタケご飯を作ってきてくれたり
さくらんぼをもらったり・・・・・
本当にいろいろよくしてもらった
彼女は５年ほど前に乳がんになり乳房を切除していた
歩くのも座るのも少し困難な様子が見られたが
その時は本人も年のせいだと言ってたし
私も深くは考えてなかった
（後でわかった事だが薦骨という所に癌が移転してたそうだ）
ある日突然出社しなくなった
入院したと聞いてお見舞いも行った
もう長くないんだと本人に聞き私はとてもショックだった
そして半年後彼女は亡くなった。・゜　ﾟ･(><)･ﾟ ﾟ ･｡
結局私も引越しして通うのが大変になり
退職してしまった会社だが
とても忘れられない思い出である