カテゴリ:カテゴリ未分類
関東地方は一日中雨。音を楽しむ雨なら大歓迎だが、出勤途中の雨は邪魔者以外の何者でもない。特に何が嫌って、濡れた傘ほどやっかいなモノはない。
トトロがバス停でびよぉーん、ざざーん!ってやる雨粒なら微笑ましいが、猫バスそっくりのくたびれたお父さんの、折り畳むことすらままならないこうもり傘が、電車の中で傍若無人に広がる様は目つぶしをしてもお釣りがくる。ついでに言うと、小学生の濡れたランドセルというやつも人のはらわたを煮えくりかえすのにピッタリ。つい「何故、小学生の頭の位置は丁度大人の膝の位置にあるのだろう」と哲学的な思想にふけってしまう。 横浜某所にある大きな工場に勤務する私は、今日も元気に出社。正門で守衛さんに傘越しの会釈をして仕事場のある建物へ。足下の水たまりを避けながら「そろそろ新しい靴買おうかなぁ」などと考えてみる。 と、到着した建物の入り口に人影二つ。男女。扉の前に設置してある装置の前で、なにやらごそごそとやっている。 「それ違うよ」「え?これって雨粒落としてくれるやつじゃないの?」 すっとぼけた男の方が傘を突っ込んでいるのは「傘袋回収機」。名は体を表すという格言通り、滴が垂れないようにビニール袋の中に入れた傘を、突っ込むだけで外してくれるというシロモノ。もちろんこの装置はあの細いビニール袋を回収するだけの機能しか有しておらず、雨粒を取ったりはしない。 ちなみに、濡れた傘を突っ込むだけで楽々ビニールに入れてくれる装置。この装置の名前は「傘ポン」という(本当)。傘を突っ込むだけでポン!という意味だ。…ポン? そういえば私がまだ小学生の頃、家族で出かけたボーリング場での事。 一組のカップルがこれからゲームを始めるために名前入力の真っ最中。男性の登録名が天井から吊されたモニターに表示される。「マサポン」。続いて女性の登録名。「ヒロポン」。 「ヒロポンはまずいだろ。ヒロポンは」 当時五歳上の兄貴が何故そんなことを言うのかわからなかったが(※1)、知らないということは罪だな、という事を今更ながらに思う昨今。 ちなみに、「マサポン」というのは画面にフルネームが入りきらなかったため一部が表示されていた模様で、実際の登録名は男性が「マサポンポンタヌキ」。ヒロポンも「ヒロポンポンタヌキ」が正式。 不意にそんなことを思い出して苦笑。そして目の前でまだばたばたしている男女にそっと一言。 「入り口に立たれると邪魔なんですけど」 今日も良い天気。明日は台風。 ※1:覚醒剤。昭和24年3月、厚生省に劇薬として指定される。ちなみに同年10月、同省は製造業者に対して覚醒剤製造の中止を勧告、26年6月には覚醒剤取締法が制定された。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.10.08 22:40:17
コメント(0) | コメントを書く |
|