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阪神淡路大震災の時、支援として高額の寄付をしたが、
ボランティア団体に対して、一切名前を名乗らずに立ち去ったおじさんがいたんだとか。 そうか、そうすればよかったんだ。 後になってから、このエピソードの意味というものを知る機会がありました。 新宿に用事があり、 おっと、新宿に用事があるなんて、なんてシティボーイなんざましょ。 鹿児島の片田舎から、方言丸出しで上京したチェリーボーイが、 なんと新宿に用事がある!? はー、時間は人を変えるんだねぇ… えー。 というわけで、新宿へ行く用事があったのですが、 その途中の急行電車での出来事。 乗車後一駅過ぎたところで丁度目の前の席が空き、 「おお、座っていけるのかしら」 なんて軽いステップで座った直後の事。 どやどやと乗り込んでくる体育服姿の少年達と、その保護者とおぼしき母親一団。 その母親軍団がぐるりと辺りを見回す。 「席は空いてないかしら?」 「どう、席は空いてる??」 とまぁ、結論としては丁度空いていないんですね。 「仕方ないわ、そこに座らせて…」 「これを下に敷くといいわ」 「そうね…」 なにやら忙しそうな母親一団。 「ほら、ここに座りなさい」 促されて入り口付近のすみに腰を下ろす体育服の少年。 どう見ても違和感のある光景。 何事かと、腰を下ろす少年を見てみると、顔に生気がない。 こりゃ何かあったかな? 周りを見渡してみたが、席が空く気配は無し。 まー、殺生だわ。 「どうされたんですか?」 席を立ち、母親一団に話しかける。 「ちょっと調子が悪いみたいで…」 まぁ、百も承知なんですが。 「どうぞ」 「いいんですか?」 「すいません」 「ほら、座らせてもらいなさい」 座る若造。顔が青い。とてもしんどそう。 「どうもありがとうございます」 次々と頭を下げる母親一団。 「あー、別にいいすよ」 対する環ちゃん、素の対応。 で、まぁそのまま反対側のつり革に捕まっていたのですが、 悲劇はこの直後。 一駅過ぎたところで、後ろから声を掛けられる。 「あの…」 「はい?」 声の主は母親一団。 「どうぞ座ってください」 目をやると、青顔少年の隣の席が空いている。 「あ、そうですか?」 「どうぞどうぞ」 「座ってください」 たたみかける母親一団。 特に深く考えず、促されるままに席へ。 さーて、新宿まであと何駅かしら? ぼやーっと視線をあげると、 「どうも、ありがとうございました」with母親の会釈。 あーいや。 どえりゃー気まずい。 まさか、善意でしたことなのに、こんなに気まずくなるなんて。 こんな気持ちは、道を聞いた人と同じ方向に歩いた時以来だ。 まいったなぁ。一体あと何駅あるんだろう。 視線をあげる。 母親一団と目があう。 「どうも、ありがとうございました」with母親の会釈。 もーえーっつーの。 うー、早く降りないかなぁ… 降りないなぁ… 降りないなぁ… 降りないんだなぁ… 結局、みんなそろって新宿で下車。with母親の「どうも、ありがとうございました」 and「あーいや」 良い事をした後は、その気分のまま立ち去るが吉。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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