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テーマ:旧い旧い洋画(394)
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最近、映画”ロッキー”no.1からno.5までを
初めて鑑賞した。 で、1956年度のロバート・ワイズ監督の 作品”傷だらけの栄光”を思い出し、取上げる事にした。 二人のロッキーである。 その前に、ポール.ニューマン主演の この”傷だらけの栄光”・・・・私の映画日記によると 昭和44年、テレビの日曜映画劇場で初めて観ているようで その感想文にはアメリカ映画というのは雨のシーンを実に 上手く使うと記している。 そして、”雨の朝パリに死す”(なでしこでは紹介済み)と カークダグラス主演、ウイリアム・ワイラー監督の ”探偵物語”と比較して書いてあった。 読んでみると、最近見ての感想が 違う角度で捉えていたなあと感慨深かった。 その雨のシーンは古い感想文を読むまでもなく ずーっと覚えていたので傷だらけ・・・イコール雨!!という記憶であった。 あの頃はワイラーもワイズも全盛期の時代だった。 ポール.ニューマンはわたくしの好きな男優の 5本の指に入る人であります。 さて、二人のロッキーですが、 見たり聞いたりしたわけではありませんのであくまでも 想像ですがスターローンはニューマンロッキーから この名を取ったのかなあと思います。 二人のロッキーを語る前に ”傷だらけの栄光”のあらすじを・・・・ ロッキー・・・ニューマン ノーマ・・・・ピア・アンジェリ スラム街のイタリア移民の青年、ロッキーは 不良というよりも 手のつけられない暴れん坊といったほうがいいかもしれない・ つまり、善悪の判断が出来ず、やり場のないエネルギーや 貧困に対するもやもやとした得体の知れない熱いものが 暴力や盗みといった行動にでてしまう。 大人たちの説教や戒めは理解できず、自分の法則でしか 判断できない。 不良のように計画的に大人を困らせようと思ったり、 ずるがしこく悪さをするのではない。 気がつくと人を殴ってしまっていたり 物を盗んでしまったり、自分で自分を押さえられず 自分を持て余している。 そんな彼を本気で心配しているのは母親くらいのもの。 その母親ももう、彼を見捨てようとさえ思っている。 留置場や刑務所は出たり入ったり。 入隊させられた軍隊を刑務所と同じように思って 規律など彼には通用しない有様。 そんな常識が彼には備わっていなかった。 軍を脱走した彼はまた町に戻ってくるが 母親にお金を渡したくて ボクシングジムで喧嘩をするように相手を倒し、 10ドルをもらう。 しかし軍からオムカエが、いずれ来るのが分っているから 偽名を使い、小遣い稼ぎをした。 相手を倒すのは彼にとってボクシングではなく、 町で喧嘩をするのと同じだった。 軍に帰ると、また作業途中で喧嘩。 ボクシング部隊というのがあって、いいミドル級が見つかったと ある中尉が引き抜こうとした。 まずは独房へ・・・ そこで彼を目覚めさせることになる人が待っていた。 思うにこの物語をわたしはどうしても 宮本武蔵とダブらせてしまうのね。 だからこの人は武蔵にとっての沢庵和尚にあたるわけ。 喧嘩がめっぽう強くても 人生の第一歩がわからない人間に道を作ってあげる人。 そしてシャバへ戻った彼は瞬く間に才能を発揮。 ドンドン勝ち抜くわけ。 ここに彼の父親が居るわけですが、いつも酒臭い息をした 酔っ払いの寡黙な人。 ロッキーは彼に優しい言葉をかけてもらった事がないんですね。 それは彼もボクシングをやっていた。 だけど行く先廃人になると思った妻、つまりロッキーの 母親はボクシングを辞めさせた・ 不完全燃焼のままの父親はその結果、 家族にとっても廃人同様になってしまった。 妹が女友達をロッキーに紹介した。 女性にはうぶなロッキーはノーマに恋した。 ノーマと映画に行ってもラブシーンがつまらないと 途中で映画館を出てしまう。 ボクシングは嫌いとノーマは言う。 ”あなたの殴られる姿は見たくない”と。 そこで練習を見に来いとノーマにロッキーは言った。 その練習が可笑しいんです。 ノーマが入ってくると急に踊るようなボクシングを始めたのだ。 ニューマンがとっても可愛いんです。 だが、トレーナーはノーマを連れ出しロッキーと 付き合うのを止めた。ロッキーの過去やボクシングの辛さを 全部話したのだ。 どしゃぶりの雨の中ロッキーはノーマを探して 87軒もの映画館を探したと言う。 彼の熱意に打たれまあ、とにかく結婚までこぎつける。 女の子にも恵まれ順調だった。 ある時、チャンピオンゼールと対戦。 負けそうになっている彼の試合をラジオで聞いていて ノーマは居てもたってもいられない。 結果はロッキーの敗北だった。 試合の勝ち負けではなく、彼がいつ怪我をして 立ち直れなくなるのではと母に言った。 そのとき、母は彼女に答えた。 ”ロッキーにボクシングを止めろと言ったの?” ”彼にとってボクシングは人生のすべてです” ”では、あなたにとってもすべてのはずよ、私と同じ間違いを 繰り返さないで”と・・・ ”わたしはミドル級と結婚したんですね” 帰ってきたロッキーにノーマは ”あのパンチは何よ”とけしかけた。 ロッキーは”それですっきりしたぜ”と。 ”ゼールヲ倒すのよ!!” ゼールとの再試合に関して刑務所で一緒だった男が 八百長を持ちかけてきた。 受けなければロッキーの過去を新聞社に持ち込むというもの。 窮地に立たされたロッキーは試合を降りた。 彼の八百長は今までにも何度かあったようで警察も 調べていた。 面通しで、ロッキーはその男のことは知らぬ存ぜぬで通したが 結局、ロッキーの過去は新聞に載ってしまった。 そしてボクシング協会からライセンスを剥奪されてしまった。 ニューヨーク州では試合は出来ない。 シカゴでのゼールとの試合が持ち込まれたがロッキーは イヤだといった。自分を嫌っている町での試合などイヤだと。 ノーマはトレーナーに言った。 まっとうな世界に生きたいと三年間頑張ってきたのよ、 戦意を失った彼を蘇らせて”。 三人でシカゴへ行ったものの夜中にロッキーはひとり ニューヨークへ帰った。 行きつけの店でソーダー水を飲みながら マスターに言われた。 ”昔の仲間の五人のうち一人は刑務所、一人は殺され 一人は逃走中に車の事故に一人は電気椅子・・・。 ソーダー水を飲んだら金を払う事だ。” ロッキーは父に会いに行った。 相変わらずの酒の匂い。 オヤジはどうして自分の質問にいつも答えてくれない? 何故ボクシングを止めた?ずーっと頭の中で闘うばかりで 一生頭の中で闘うつもりか?俺は今家族のために闘っている。 シカゴに居なくてどうしてこんなところに居ると何故言ってくれない? 父は泣きながら、やつに勝ってくれ!とつぶやいた。 ロッキーはにっこり”任せてくれ!とシカゴへ引き返すのだった。 試合はロッキーのKO勝ち。 父も、仲良しも店のマスターもそして軍で知り合ったあの人も みんなラジオを聴いていた。 ニューヨークに凱旋したロッキーはパレードの花だった。 ”そうさ、somebody up there Likes me!” 天の誰かが自分を好いていてくれるのさ! 決して人生を投げ出してはいけない。 家族愛、糟糠の妻、有り余るエネルギーも導き方で こんなにすばらしいファイトになる。 そんな栄光でした。 夫婦って同じ方向を見て歩まなくてはならない。 決して向き合うものではないのね。 スターロンロッキーのすばらしさは いつでも、 決して自分を強いと過信してはいないところ。 試合に勝ててもコミッショナーや妻や息子や 神様が付いていてくれているからだと思っていますね。 そしてとにかく人にやさしい。 人の話をきちんと聞きますね。 まっすぐな性格と粘り強さをロッキーファンは愛した。 どちらもスポーツ選手の成功物語ではなく、人生の成功への道を 歩んだという事ですね。 5部にも及ぶあの長いドラマが人々を惹き付けた事が よく分りました。 めぐり合う人々によって人生が あんなに素晴らしいものになるというお手本みたいな作品ですね。 そして、”傷だらけの栄光”のノーマ役のピア・アンジェリは 清楚で美しい女優さんでしたが29歳の若さで自殺してしまったんですね。 スターロンロッキーの原点をワイズのすばらしい演出で ご覧になってください・ ニューマンってほんとすてき!! そうそう、ニューマンのチンピラ仲間のひとりとして スティーブ・マックイーンがデビューしていますよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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