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Aug 30, 2007
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カテゴリ:音楽
 まあ、今週はよく出かけたものであります。
 神学校時代にオルガンを指導していただいた木田みな子先生が主催する「ユビラーテ奏楽者の会」というのがあります。教会で奉仕するオルガニストが木田先生を中心に集まり学びのときを持っていて、全国で100人以上の人が会員となっているようです。奏楽者の教派は問わず、カトリック、聖公会、SDA、日本キリスト教団など様々です。

 さて、その会の研修会が、毎年、軽井沢追分教会にて行われているのですが、今年も今週の火、水、木とありました。研修会は三日間で、最終日には、聖書朗読とオルガンと合唱の音楽による「讃美礼拝」が行われます。昨年も合唱隊として参加しましたが、今年は、二日目の夜の「夕べの祈り」の司式を任されました。ほとんどの流れは木田先生が計画されたのですが、普段の教会においては、黙想の会などしたことがないので、これはいい経験になると思って、司式をさせていただきました。

 といっても、その会への参加は二日目からになりました(青年部のワークキャンプの最終日とユビラーテの会の一日目が重なったため)。

 そして、その「夕べの祈り」は、なんといっても宮内庁式部職 楽部首席楽長を務められた岩波滋氏の笙が感動的でした。さらに、その笙に呼応するようにして、松原葉子さんのリードオルガンの演奏がすばらしいものでした。笙とリードオルガン、リード楽器としては同じようなものかもしれませんが、演奏家の心が通じ合っていた感じがしました。とにかく、僕は笙の音色を生で聞くのは初めてで、その不思議さに驚きました。楽譜で書けば、明らかに不協和音が鳴っているところですが、その中で、微妙に音が動いていき、心地よいのです。(岩波先生によれば、笙の音は、なかなか、コンピュータの音でも再現が難しいようで、CM音楽のため、わずかな時間だけ笙を使うからと呼ばれて、さっと吹いて、報酬をいただくというおいしい思いもしました、とのこと。)

 そして、岩波さんから笙の仕組みなども伺いました。笙のリードは、吹いても吸っても音がでるとのこと、錫と銅の合金で作られているが、このリードも自分は作製しているとのこと(竹の管の部分は、古い民家から手に入れたり、江戸時代の楽器を手に入れたりしているとのこと)、笙が古代の構造をあまりアレンジせず継承していること、そして、その古い楽器をいとおしむことが演奏家は必要なのだ、ということ、笙の演奏者は楽器にどう向き合うかが大事で、演奏技術というよりも、呼吸をどう楽器に即するかが大事だと年をとって気付き始めた、ということなどを伺いました。
 そのほかにも、次のようなお話が印象に残りました。笙は、中での結露を防ぐために演奏の前には、必ず暖めなくてはならないのですが、昔からそれは炭火と決まっていました。ところが、昨今、火気厳禁の会場が増えて、その炭火が使えなくなったのです。そこで仕方なく電熱器を使っているのだそうです。ヨーロッパ演奏のときも同様だったのことですが、デンマークで演奏したときは、炭火に対して消防の警備がついて炭火を持ち込めたそうです。便利さと引き換えに、炭の文化が日本では消えてしまっているということと、それに伴って、人間はいろんなものを失ってきている、笙の演奏と継承で大切にしていることも、音の継承ではなく、それを支える生活文化の継承だ、ということでした。

 さらに食事のときなどに、岩波先生の生い立ちなども伺いとても感銘を受けました(軽井沢別荘地の文豪に囲まれて幼年時代をすごしたこと、いわゆる今では名画といわれる映画の封切りを見る機会に恵まれたこと、その中でグレンミラー物語を見て、トロンボーンを志し、浅草の叔母たちのところに居候したこと、浅草で様々な芸人たちを見てきたこと、などなど尽きない話題がありました)。

 そして、木曜日、讃美礼拝がありました。20人以上の方が聖書朗読の後にそれに呼応するようにパイプオルガンを演奏され、会衆賛美、聖歌隊賛美がありました。教会堂全体が神々しい音に満たされ、感動的な一時でした。

 それにしても、軽井沢追分教会の音響はとてもすばらしいものがあります。特に、「夕べの祈り」のときは、とても静かでした。そのためか、その会を司式したわたしの声も大きく響いてしまったようです。

 残念なこと、といえば、今年は塩田泉神父の参加がなかったことです。調子を崩しているということですが、一日も早い快復を祈るものです。

 なお、大きな声では言えないのですが(言ってるじゃないかって)、この軽井沢追分教会、最近は、とうとう芸能人がお忍びで結婚式をするようになったようです。稲垣壬午先生が、「わたしは最初気付かなかったのだが、実は、○浦○○と○希○が身内だけで結婚式を挙げたんだよ。オルガニストの指摘で分かってね」「他の人に言ったら、先生、なんで教えてくれないんですか。見に行ったのに、なんて言われてね。写真もないよ。」などと語られていました。





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最終更新日  Aug 31, 2007 08:22:15 PM
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