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カテゴリ:音楽
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武久源造さんの名前をはじめて聞いたのは、10年ほど前であり、その生演奏を聴くことができたのは、わずか5年ほど前にすぎない。そのときは、長野の聖救主教会で、木村オルガンのポジティフオルガンを持ち込んでの演奏であった。 饒舌すぎる解説・コメントと、それにもまして饒舌な音楽だったのだが、自由闊達な雰囲気を堪能し、通常クラシックに位置づけられても、それを超える何かを感じさせられたのであった。 武久源造さんの音源については、所有するものはないので、その後、すっかり忘れていたのだが、最近、「信州なずなの会」といういわゆる「障がい」を持った人と一緒に信仰を深め合う会において、お話してくださった堀越喜晴さんを通して、思い出した(救主教会でのコンサートは武久さんの友人である堀越さんによって実現したのだった)。 そして、松本市の中央図書館に行った際に、『新しい人は新しい音楽をする』という本を見つけて、今、読んでいるところである。ご自身、目が見えないで育ってきた環境や、カトリックの信仰に基づいた発言もしばしばあるが、何よりも自由に生きようとされているところがとても心に残る。そして、当然それは音楽に対しても自由であり、僕の好きなプログレッシブロックとジャンル付けされてしまうような音楽の根本にも近いものを感じさせられるのである。 例えば、彼は鍵盤奏者として、ピアノ、チェンバロ、オルガンなどを操る関係で、バッハやヴィヴァルディなどを愛している感があるが、バッハやヘンデルが当時、音がでるものは何でも取り入れて音楽を作っていったところ、すなわち当時音楽とは考えられなかったようなものさえも、取り入れたという新しさに、その凄さを認めている。それと同じように、現代だったらどんな音楽を目指すべきか、ということを語り、12音階のフラメンコなどがあってもよい、とかジャズ的な精神に惹かれている感じで、録音でも必ず即興演奏を取り入れるということ、楽譜どおりのいわゆる正しい演奏よりも、成熟した演奏、良い演奏、音楽を心がけているということなどが、いいな、と思わせられる。何が正しい音楽か、などということにはこだわらず、ジャンルの壁を越えていく発想があるように思われた。 そうした発言の中で、音楽の世界を巨大なビルだとすれば、彼は自分を「わたしはまずそのビル全体を見て、関わりたい」と表現し、一方で、「各階を極めていくことも大切であり、それを否定するわけではない」と断る。様々なアプローチの可能性を許容しながら、自分がしたいこと、自分に課せられていることに向き合おうという姿勢がとても素敵だと感じた。 なお『新しい人は新しい音楽をする』は、アルク出版企画から2002年に出ていますが、現在、中古でないと手に入らないようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jun 24, 2010 04:01:38 PM
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