先週シカゴで開かれたマテハン(Material Handling Equipment)の見本市ProMatを見てきました。
Keynote Forumに参加して、アメリカの製造業が目指しているものの一端を見たような気がしました。要旨は次のとおりです。
海外主に中国に生産拠点を移す企業が相次ぐ中で、アメリカ国内での生産を続ける各社のキーワードは次の3つのようです。
1. Lean Work (無駄を限りなく削ぎとった生産方式)
2. Turn Around Time (注文を受けてから商品を届けるまでの時間短縮)
3. Manufacturing Cell (セル方式の生産)
労務コストが20から30倍も高いアメリカ国内で中国産の製品と競争するのは容易ではありません。
市場に近い所で生産するメリットを最大限に引き出すことを追求した結果のように思います。
生産のバッチ単位を小さくし受注生産方式に近づけ、セル方式の生産方法を取り入れることで原材料が投下されてから製品として完成するまでの時間を限りなく短くしています。この方式により、仕掛り在庫が減少するメリットも得られます。
完成品の在庫量を増やし集中して管理することにより、納期短縮を図っている例もあります。配送センターを大型化・集中化してニーズを正確に予測することが必要になります。米国内で25%のシェアを持つNew Balance Shoesだからできる事なのかもしれません。
制度化されている労務管理支出を減らすために、カリフォルニアからアイダホへ移転した例も紹介されています。労務管理支出が4倍以上も違うというのは驚きですが、アイダホに進出する日本企業は殆どないようです。
日本語から既に英語になっているKaizenをコーポレート・カルチャーとして如何に定着させていくかが重要な課題だとの指摘もありました。
紹介された3社は、それぞれナイフ、運動靴、芝刈り機/除雪機の製造メーカーですので、ハイテク業界ではまた違った様相が展開されているものと思います。
ProMatのホームページは次の通り
http://www.promatshow.com/