|
カテゴリ:劇団☆新感線
結局毎週行ってんじゃねぇかよ、新橋演舞場。
おいおい、何処のどいつだい、初日のチケット一枚しか持ってなかった野郎はっ! やいやい、公式様に向かって「古田が『超絶かっこいい』だ?! ふざけんなあの人はいつだって超絶カッコイイんだよ」とかいって、1mmも信じてなかったやつがこのざまかっ! ・・・・はい、言い返す言葉も見当たりません、とはこのことです・・・ ええ・・しかも三連休の2連チャンですし、しかも特の上の良席でした、両日とも。 苦しいぐらいの良席。役者の表情も、しぐさも、視線の先も、手に取るようにわかるような席でした。 50のおじさんがね、すごいのですよ。 ま、初日がね、ユルユルなのはいつものことです。そんなの承知でチケット取ってますから、文句は言いません。 初日からちゃんと作れ!とは思いますよ、思いますけど、仕方ないんです、新感線ですからね、しょうがない。 『看板役者』って、伊達や酔狂で名乗っていいものではないですね。いや、伊達や酔狂で呼ばれている訳ではないですね、が正しいかな? 十三郎であるときの空気感・緊張感と、源三郎であるときの空気感・緊張感の佇まいが見事です。 丹下屋からあの人が帰ってくると、本当にホッとします。 貧しいけどやさしい人たちがいる場所で笑っているあの人を見るとホッとします。 源三郎でいてくれるあの人を見ているとホッとします。 その後の哀しみを知っているから、余計にホッとします。 そしてそのホッとしながらも、この人はもう表情一つ変えずに嘘をつけてしまう世界の人間なんだなぁと思います。 お加代さんがいうように、「嘘をよし」としているのか、それとも「嘘や偽り、騙し騙されの世界にいすぎたのか」 まっすぐに目をみて嘘がつける。そうあってほしいと思っているのだろうけどね・・、なんとも切ない。 最初の頃よりも、居酒屋のシーンの笑いが多くなりました。新感線臭のする笑いではなくて、 台本どおりなんだろうけど、やっているほうの方の力が抜けて馴染んだのか、ほんわりとした空気になり 穏やかで、暖かくて、大切な時間が流れている場所になりました。 その、穏やかで、大切な場所に、土足で入り込んできた奴等の存在を知った、そして、自分の過ちに気づいたときに 走り出すまでの細かな表情がとてもよいのです。 余計なことを話しすぎてしまったお加代を責めることはせずに、困惑と動揺と、後悔と焦りと、不安と過ちと、が どんどんと積み重なっていってしまうあの数分間の源三郎の表情が好きです。 花道を50のおじさんが全速力です。そりゃ若者や美しい役者さんたちに比べたら見苦しい(苦笑) ドタドタしてるしね、足は細いけど最近痩せてるけど、でかいものはでないし、美形でもない。 そんなおじさんが、全速力で走ることに意味があるんです。 7年も足を洗って堅気として生きてきた男が、自分の行いを悔いるために、間に合え!と思いをこめて老体に鞭打って走るんです。そこに意味があるんです。 殺陣も速さなんて必要ないんです。だって7年ぶりに刀振り回してるんですよ。そうじゃなくても十三郎は剣豪でも、侍でもない盗賊だ。しかも義賊を名乗って人を殺めない盗賊だ。 そいつが、刀をもっていう「おめぇなぁ・・・。簡単に振り回していいもんじゃねんだぞ、こいつは!」になるんです。川ちゃんの殺陣付けが戯曲にしっかりあっているので、あの十三郎が斬れば斬るほどに切ない。 一太刀、一太刀に、哀しみと後悔と懺悔と、怒りと憎しみが含まれている。 何度でも言っちゃうよ♪「殺陣もアクションも、演技です」 みんなに復唱してほしいわ、マジで。「殺陣もアクションも、演技の一部です」 速けりゃいいってもんじゃねぇの、意味が必要なの、人を殺める意味を、血を浴びる意味を、屍をつくる訳が。 古田にはいつも観えるのです、その沢山の訳が、理由が、彼の周りにある屍の山が。 悪いほう、いいほう、どちら側だとしても、きちんと自分が斬り捨ててきたものたちの山を乗り越えてきてしまった という過去がきちんと観える。だから、凄い、だから好き。 あ、ちなみに、一幕目の立ち回りのシーン。黒田様が現れるあの広間のシーンまで、役人でさえあの人は殺めておりません。あんな多勢に無勢な状況でさえ、自分のポリシーは曲げない。そんな男なんです。 汚い手を使って腕をおり、足を刺し、目をくらませ、でも殺さない。 そういう殺陣をつけてくださった川ちゃん、本当にありがとう。 勝之助様を助けられずに、おりつちゃんが泣き叫ぶ中、花道を去るときの表情もものすごいです。 ボロボロになった体に、さらに重い荷物を背負った顔。 いままで、いのうえさんの演出でこういう感じの表情だけで終わらせるってないなって。 かずき先生は何かを言わせますからねw ま、それがかずき先生なんだけども。 その「何も言わない」「何も語らない」は、あの最期に一番出ているのだと思うけど。 あの受け取り方は人それぞれ、しかも、その時々でいいんじゃないかなぁと思うのです。 勘助さんが「あとはお前の好きにしなっ」と姿を消したように、あとはご覧になった方の好きなように想像すればよいのだと。なぜに呑気に黒田さまはいらしたのか、そういうことはこちら側の想像をもって完結させればいい。 十三郎さんの表情になってましたけどね、哀しいけど。 あの大好きな鶴田屋で、あんな険しい十三郎さんになってた。その刹那さだけでおなかいっぱいです。 で、まぁ・・・その終幕の絵が綺麗なのよねぇ~♪ 気持ち悪いファンだから、居酒屋の壁にうつる影さえも綺麗とか思っちまいますが。 おっと、すんげぇ、長文。 次回は「忘れないうちに大好きな台詞を残しておこう」をお届けしますw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 21, 2016 09:40:50 PM
コメント(0) | コメントを書く
[劇団☆新感線] カテゴリの最新記事
|
|