ポケットいっぱいの内緒ばなし

今日は 高校時代の友達あーちゃんの誕生日。

だからちょうど１か月後には私の誕生日がくる。
そんなんで覚えてる。


高校を出てからはあまり会う時間も少なくて
また 今みたいにメールもないからカードや手紙を誕生日には送ったり電話をしたりしていました。

敬虔なクリスチャンだったあーちゃん。
結婚式は仏滅にやってました、安いからって。
立食パーティースタイルです。
先進的！

大学で化学系を学んでた彼女、大学の友達は圧倒的に男子学生が多かったのだけど
「主人が嫉妬するから」って女の子ばかりを招待して。
気のまわる 聡明な女の子。

お互い結婚して、子どもが産まれたりすると益々会う事もなく、手紙や電話もやり取りが減りました。

その年は暑中見舞いっきりになっちゃった。
夏の終わりの沖縄から送ったの。

返事は来なかった。
お子さん３人。
夫は口うるさい人だと言ってたし忙しいのだろうな。

私も離婚したりなんだり忙しい年で、暑中見舞いの次は年賀状になっちゃった。

でも年賀状も来ない。
よほど忙しいのかな。

一人っ子だから実家の事も一人でたちまわらなきゃならないからね。

年賀状の束から高校３年の時の担任の訃報がありました。
あれ？だって先生から年賀状、来てる。

読めば、その賀状を書き終え、投函し、
戻ってきたところで脳溢血だそう。

そうか、じゃ そんな話もしたいし、あーちゃんに電話しよう。

長電話の支度。
お茶を入れて、おかわり用のお茶もテーブルにセット。
ちょっとつまめるものも用意。

電話をかけると珍しく夫君が出ました。

「高校の同級生でゆゆと申します。あーこさんはいらっしゃいますか？」

買い物でも出掛けてるのかな？と思いながら取り次ぎをお願いしたら。


「あーこは昨年亡くなりました」



もう 言葉が出ません。

なんで？

幼い子、３人も遺してあーちゃん、無念だったろうに。

この夫君に、私は信頼をおいていません。

すぐにあーちゃんの実家へ電話をしました。
私の暑中見舞いが着いたすぐあとくらいに亡くなったと。
心臓発作だったとのこと。


あーちゃん同様、お母様もクリスチャンです。
恨みつらみも何も言わずお話をして下さいました。
「あーこの運命だからね。神様のところへ行かれたのだから」

でもね、辛い気持ちが伝わってきました。


命日はきちんと覚えていません。
誕生日しか覚えていません。


あーちゃんの事、忘れてないよ。

毎年今日はそういう風に
彼女を思い出します。