カテゴリ:離婚協議書
タイトルがいきなり堅い言葉になっちゃいましたが、
「強制執行認諾文言」とは 「債務不履行の時には強制執行を受けることに同意します。」 と言う内容の文言です。 先日、離婚協議書について相談を受けました。 「先生、離婚した夫が約束どおりの支払いをしないので 給料の差押をしたいのですがどうしたらいいのでしょう?」 というものです。 「債務名義はなんですか?」 債務名義というのは、判決、調停調書、公正証書など、 強制執行をかけることができるものです。 「離婚協議書があり、強制執行に服すると書いてあります。」 とのこと。。。。 「もしかして、公正証書になっていない、お二人で 作成された協議書ですか?」 「はい。」 絶句。。 当然ですが給料の差押はできません。 たとえ、強制執行認諾文言が入っていても無意味です。 この場合は、離婚協議書を証拠として訴訟を提起し 判決をとらなければ給料の差押はできません。 裁判を起こす必要があるとわかり 多額の弁護士費用をどうするか 相談者は頭を抱えておりました。 裁判をせざるを得ない状況ですので 私もそれ以上お力になることもできませんでした。 裁判をすることなく差押できるのは、 強制執行認諾文言の入った公正証書を持っているから なのです。 公正証書でない私製文書では例え認諾文言があっても 差押できません。 今回の相談者はご自分なりに調べて例文を元に 離婚協議書を作成されたそうです。 それも一つの選択肢ですが、 そもそも、離婚協議書や和解契約書などは 後にトラブルとなったときに必要となるものです。 約束通り債務履行されれば出番はないわけです。 火災保険や自動車保険と同じようなものです。 火事が起きなければ、自動車事故を起こさなければ 掛け金は一見無駄になったように見えます。 しかし、火災が起きてから、事故にあってから 保険に加入していなかったことを悔やんでも取り返しがつきません。 公正証書も同じです。 公正証書作成に費用はかかりますが、公正証書がない場合はいざというとき 裁判が必要になります。 弁護士費用は公正証書作成費用の10倍以上かかるでしょう。 裁判に勝てば弁護士費用は相手持ちと勘違いしている方も いらっしゃいますが、よほど高度な医療過誤事件などでない 限り、弁護士費用は原則お互い負担です。 公正証書の作り方などについて詳しくはこちらへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月22日 20時03分25秒
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