子どもが親に期待すること
親が子どもに期待していることがあるように、子どもが親に期待していることがあるということに気付いた出来事を話します。私は、ふだん家にいるときは服装にあまり気を遣っていない方だと思います。その日は黒の地色に白と灰色の模様のついている毛糸のカーディガンを着ていました。 子ども 「お母さん、お母さんは何でそんな黒ばっかり着るの?」 と寂しそうな表情で言ったのです。 わたし 「ああ、この言葉には深い意味があるのだなー」 「自分では心地よいと思っていても、これからはそれを見ている人がいる ことを意識しなければならないのだなー。」 ということに気付かされました。このカーディガンは、「お買い得ですよ。」という言葉に引かれて、お世辞にもセンスがよいとは言えませんが、暖かさに惚れて「まあいいか」という思いで買った物です。子どもにして見れば、洋服の色も含めて 子ども 「きれいなお母さんでいてもらいたい。」という願望があったのでしょう。それからは大いに反省をしました。子どもの側から見れば、快い環境に居たいという気持ちときれいなお母さんでいて欲しいという期待感があったのだろうと思います。子どもの心の中には、すでにセンスが良い悪いという感覚やこれは快いかそうでないかなどの感覚が備わっていると思われます。ただ、それに磨きがかかるように、名画の鑑賞のために美術館に連れて行くとか、優れたアニメの映画を鑑賞出来るような機会を与えてあげて欲しいと思います。少し大きくなれば、たまにはウインドウショッピングでステキなディスプレイを見せてあげることも良いでしょう。本物を見ることで感性が養われるといわれています。フランスの美術館を訪れてびっくりしたことがあります。それは、ルーブルでもオルセーでも、幼稚園や小学生が集団で学芸委員の説明を聞いて質疑応答が行われていることです。それも一,二箇所ではなく、ここでもあちらでもといった具合です。また、名画の前で模写している大人の方も大勢見かけました。公認されていて、どんな人が参加したかの記録が残されているとも聞いたことがあります。写真撮影もOKです。ペンすら持ち込みが禁止されている日本の美術館とは大違いです。羨ましささえ感じる出来事でした。