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『新・学力への挑戦』
カテゴリ:教育と学力
小学校2年生のK君にかけざんを教えていたときのこと。
かけざんは、たしざんとは違うけいさんということで、 2×3は2+2+2のことではなくて、 1当たり量のいくつ分で全体量を求めるけいさんのことだよということで、 1当たり量を探そうとしていたときのこと。 1当たり量をいろいろ出してもらっているうちに、 1当たり量が9のものというところでは、 「野球1チーム当たり選手が9人」などという例を考えていた私は、 K君の 「ロケットのエンジンが1台あたり9つ」という予想をこえた答えに、 びっくりし、感心したりしました。 それからK君は、エンジンが9つついているロケットの絵を楽しそうに描きました。 ところが、1当たり量が2を考えるとき、 K君がなかなか答えないので、 例えば、 「ニワトリ1羽当たり足が2本でしょう」というと、 K君は、がぜん違うというのです。 「ニワトリの足は、6本だ」というのです。 それはつめのところじゃないの?といっても頑固に6本をゆずりません。 「2本でしょう」「6本」のやりとりが続きました。 K君は物知りで、いろいろなことを知っています。 だから、にわとりの足が何本かということで、 こんなに見方が分かれるということは本当に意外で、 びっくりしてしまいました。 その日は、結論を出すことはやめて、 1週間ほどたって、もういちどにわとりの足のはなしをすることにしました。 ところが、次の週に会ったときにも、 まったく同じ展開になったのです。 K君は、断固としてにわとりの足は6本だと確信しているのです。 私は、ここに教育の面白さのひとつがあると感じました。 それから、K君とは会えないでいますが、 K君にまた会って、にわとりの話をしてみたいと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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