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2007.10.17
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カテゴリ:病気を知りたい。
子どものうつ病=精神科医・香山リカ 私の確言

記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

 ◇大人同様、正しい治療を

 中学1年の1割がうつ病の可能性。

 こんな衝撃的なデータが、伝田健三医師ら北海道大学の精神科チームの面接調査で明らかになった。調査対象は小学4年から中学1年の子どもたちだが、中学1年に限ると、うつ病と躁(そう)うつ病の有病率の合計は10・7%にも上った。

 伝田医師の著作『「子どものうつ」に気づけない!』によると、子どものうつ病には大人には見られないいくつかの特徴があるという。「悲しい」「つらい」などと感情を言葉で表すのが下手な子どもたちは、「引きこもりや不登校」「頭痛、腹痛」「イライラ感や暴力傾向」といった特有の症状を呈することが多い。「学校に行きたくないな」と子どもが渋り出した場合、最近であれば親は「いじめにあっているのでは」と思いがちだが、うつ病を疑ってみる必要もある、と伝田医師は言う。

 大人同様、子どもでもうつ病と診断が確定した場合は、きちんとした治療を受けることが必要だ。「子どもに抗うつ薬を飲ませるのはちょっと」と治療を先延ばしにしていると、どんどん症状が重くなってくる場合もある。

 大人でも子どもでも、うつ病が増加。こんな話を耳にすると、それだけで気がめいりそうになるが、うつ病など心の病にはマイナス面しかない、というわけではない。

 実際に私が担当していたうつ病の少女のケースでも、多忙でこれまで会話を交わす時間さえなかった両親は、娘の病をきっかけに「もっと共にすごす時間を持とう」と決めた。薬物療法の効果もあってほどなく症状は改善し、少女は笑顔で「お正月は久しぶりに家族旅行なんだって」と話してくれた。

 彼女の場合、両親の多忙さがうつ病の直接的な原因ではないが、まさに「雨降って地固まる」、病をプラスに転じることができたのだ。このように、とくに子どものうつ病は、家族にとってこれまでの生活や時間の使い方を見直すきっかけになることも多い。

 とはいえ、うつ病は本人にとってはとてもしんどい病気であることには、変わりない。最近は、自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)など、子どもの発達障害の増加も報告されている。あまりに親や教師が神経質になりすぎて、ちょっとした変化や個性をすべて障害や病に結びつけてしまうのは問題だが、子どものメンタルヘルスに関して大人たちはもっと正しい知識を身につける必要があるだろう。同時に、まだまだ遅れている児童精神科の整備が進むことも望まれる。

*確かに児童精神科は今のところ存在しませんが必要になってきているのかもしれません!






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最終更新日  2007.10.18 07:46:28
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