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1カ月以上早い流行 子供に猛威、Aソ連型インフルエンザ
記事:毎日新聞社 提供:毎日新聞社 ◇久々主役、免疫なし この20年で最も早くインフルエンザの流行が始まった。国立感染症研究所は4日、全国約4700の医療機関から報告された11月19-25日の週(今年の第47週)の報告患者数が、全国的な流行開始を示す基準を上回ったことを発表。例年より1カ月以上早い流行となった理由や今後の見通し、予防策などを探った。 流行が早く始まった理由は、専門家にとっても謎だ。国立国際医療センターの工藤宏一郎・国際疾病センター長は「そもそも、冬季に流行する理由自体が明確に解明されていない」と説明する。 寒くなり水分が減ると、異物を排出する上気道の機能(繊毛運動)が落ちるという。一方ウイルスには、気温が低く湿度が下がると、活動が活発になる性質がある。今年は記録的に暖かな秋から、一転して日本海側を中心に大雪となるなど天候が急激に変化した。工藤氏は「急に寒くなったことが背景にあるかもしれない」と推測する。 「流行の中心がAソ連型であることが、流行を早めているのではないか」と話す専門家もいる。過去5、6年はA香港型とB型が流行の中心だった。幼い子どもはAソ連型に対する免疫を持っていない可能性が高く、保育所や小学校低学年を中心に急速に感染が拡大した可能性がある。 今後の流行の進展についても、不確定要素が多い。開始時期と流行規模の間に明確な関係が見られないからだ。 インフルエンザは学校や保育所などで子どもたちの間に広がる。子どもが家に持ち帰り、地域へ拡大することで流行はピークとなる。通常は流行開始後5-6週間でピークを迎えることが多い。 このため、国立感染症研究所の安井良則・感染症情報センター主任研究官は「流行開始が早いので、ピーク前に冬休みが始まり、流行の加速が抑えられる可能性がある」と話す。東北地方や北海道などでは、大雪で人の移動が遮断されるために感染の拡大が抑えられる可能性もあるという。 ただし、年末年始には帰省や旅行などで全国的に人が移動する。地域を越えて感染が拡大する可能性も否定できない。 また、けいゆう病院(横浜市西区)の菅谷憲夫・小児科部長は「園児や小学校低学年を中心に流行していたAソ連型はピークを迎えつつあるが、A香港型が年明け以降に流行する可能性がある」と指摘する。Aソ連型にかかって免疫ができても、重症化しやすいA香港型やB型にかからないわけではないから注意が必要だ。 ◇被害食い止め、予防接種が有効 対策としてはどんな手段があるのか。 インフルエンザウイルスは、飛沫(ひまつ)感染や接触感染によって広まる。基本的な感染防止策としては▽流行時に人の集まるところに行かない▽帰宅後はせっけんで手洗いをする--などが挙げられる。厚生労働省は感染拡大防止のため、せきをしている人に対してマスク着用を促す「せきエチケット」も呼びかけている。 感染研によると、予防接種で重い合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限にとどめることが期待できるという。接種すると、通常は2週間程度で効果が表れ、約5カ月間は効果が続くとされる。 菅谷氏は「今から接種すれば、年明けにA香港型が流行した場合に対応できる。もう遅いと思わずに、予防接種を受けてほしい」と呼びかける。 予防接種には、Aソ連型、A香港型、B型の3種類に対応した混合ワクチンを使う。ワクチン製造に使う「ウイルス株」は、前のシーズンの流行や北半球の半年前に流行する南半球の状況、世界保健機関の推奨なども踏まえて決めている。 現在の流行の中心はAソ連型だが、今シーズンのワクチンはAソ連型用の株を6年ぶりに変更した。 感染研ウイルス3部の小田切孝人・インフルエンザウイルス室長は「今シーズンに感染者から分離されたウイルスを調べると、変更後のワクチン株との適合率は高いとみられ、予想と合致している」と話している。 ◇「3連休でもダメ」--東京・国分寺市小学校、学級閉鎖続く 厚労省によると、11月30日現在で学級閉鎖をした学校数(累計)は全国で305校。北海道が半分以上の176校で、神奈川県27校▽東京都19校▽千葉県13校など首都圏が続く。太平洋側を中心に発生が報告され、九州・四国地方では確認されていない。 東京都国分寺市教委によると、先月下旬以後小学校10校中2校で、児童延べ110人が嘔吐(おうと)や下痢などインフルエンザや風邪とみられる症状で欠席した(4日現在)。 市立第十小では先月29日、3年の1クラス(児童37人)で9人が欠席。欠席者数が学級閉鎖の目安となる2割以上に達したため、翌30日を学級閉鎖とした。土、日曜日と合わせて3日間休めば、流行も収まるという判断だった。 ところが週明けの3日、このクラスの欠席者は8人と多いままで、同じ2階にある2-4年の4クラスでも計38人が欠席。4-6日の3日間、5クラスを閉鎖することにした。石川鋭一郎校長は「急に冷え込み、体力のない子どもたちが罹患(りかん)した」と分析する。昨年は3月中旬に1クラス閉鎖しただけだった。昼休みに児童に校庭で体を動かさせるなど、風邪をひかない体づくりに取り組んでいる。文部科学省の作花文雄・学校健康教育課長は「手洗いやうがい、マスクの着用など予防措置を徹底してほしい」と話す。 *旭川は寒気が入ってきていて真冬模様だからこれからもインフルエンザの患者さんは増える一方でかも? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.06 07:25:39
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