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カテゴリ:病気を知りたい。
無能な上司の下で働くと心臓病のリスクが上昇することが分かった。
自分の上司は不公平だ、気まぐれだ、思いやりがない、全体的に管理能力に欠けると考えている人は、心臓発作などの心臓病になるリスクが高いことをスウェーデンの新たな研究が明らかにした。 また、ひどい管理者のせいで一般社員がストレスを感じている場合、心臓病の長期リスクがさらに上昇する、と研究者らは11月24日発行の『Occupational and Environmental Medicine』に報告している。 この研究でスウェーデンの科学者らは、1992年から1995年の間に男性一般社員3000人以上の心臓の健康状態を追跡した。次に、2003年までに虚血性心疾患により入院、死亡した患者に関する全国患者登録データとこの職業的健康記録を照らし合わせてみた。 およそ10年間にわたる調査期間で、心臓発作、不安定狭心症、心停止などの致死的および非致死的心臓疾患イベントが74例認められた。部下が管理者を有能と評価すればするほど、重篤な心臓病のリスクは低くなった。 管理者のリーダーシップに対する認識と部下の重篤な心臓病リスクの関連性は、部下の勤続年数が長いほど高かった。つまり、ひどい上司によるストレスは時間とともに増大することが示された。 社員の重篤な心臓病を予防するため、会社は部下の評価に基づいて管理者の不足能力を改善する手だてをとるべきだ、と研究者らは言う。 「存在感があり意欲的な管理者とは、体制をつくり、情報を提供し、社員を支えてくれる管理者であって、部署が悪い方向にいかないよう対策を講じる。それによって、ストレスによる部下の生理的変化を悪化させるのではなく、むしろその再生を促すのではないか」とカロリンスカ研究所およびストックホルム大学ストレス研究所のAnna Nyberg氏は書く。 上司を評価する 参加者らは、ある評価体系を使って、コミュニケーションやフィードバック能力の高さ、変化対応時の成果、目標設定能力、部下に任せた仕事の量などに関し、上級管理者を評価した。 その結果、リーダーシップスコアが高ければ高いほど心臓病のリスクが低下した。この関連性のロバスト性は「教育、社会的階級、収入、監督的立場、仕事時に感じる身体的負荷、喫煙、運動、[BMI]、脂質、フィブリノゲン、糖尿病を補正の上で」確認された。 つまり、ひどい上司はその下で働く人の健康や寿命にまでも悪影響を及ぼす可能性があることが分かったのである。 最近行われた別の研究で、身体的・精神的に有害だと思う職場環境にさらされている社員の心血管疾患リスクは50%も高かったという。この研究結果について研究者らは、「特に職場の心理社会的ストレッサーは比較的多いので、臨床的意味は大きい」と書く。 また、管理者の行動の質に対する認識が部下の健康に影響するとのエビデンスは増えていると研究者らは言う。部下が意識的にみている点は、上司の「思いやりある行動」、どれだけ上手く部下に知的刺激を与えられるか、部下とのコミュニケーション能力であった。 上司の評価に使われた質問には、「私が何か失敗すると上司にかなりきついことを言われる」といったものや、管理者がいかに上手く期待していることを伝えられるかについて聞くものもあった。 ここではっきりしたのは、情報伝達に難がある(単に否定的意味でなく)と思われている上司の部下は心臓病を発症するリスクが高い、ということである。まず手始めに管理者の仕事能力を高める訓練をしてみてはどうか、と研究者らは勧めている。 *そうなると結局は会社の教育体制に大きな問題があることになります。 どこの世界にもひどい上司は存在するのは事実なので会社が改善してくれると業績も上がるのでは? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.12.04 18:48:15
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