テーマ:恋愛について(2608)
カテゴリ:恋のお話
1月20日(金曜日)のこと。
仕事が休みの僕は、青春18切符が1回分余っていた ので、東京に行くことに。 本屋街に行きたいなあと思い、天気も晴れていたので、 御茶ノ水までJRで行き、そこから歩いて 神田神保町まで歩こうと思い、高尾から中央特快で 御茶ノ水に向かう。 国分寺を過ぎたあたりで、急ぐ旅でもないやっと 思い、三鷹で総武線に乗り換え。各駅停車で ゆっくり電車に乗りながら、あれこれ考えようかと。 三鷹で総武線の各駅停車に乗ったとき、 ものすごく懐かしい気持ちに駆られた。 高尾までの時間で読んでいた恋愛小説のせい だろうか。 しかし、電車に乗った瞬間はなぜ懐かしいのか 思い出すことができない。 だって僕自身、東京出身でもなければ、 総武線も数えるほどしか乗ったことがない。 一時期良く高円寺に行くことはあったものの、 総武線ではなく平日に行ってたため 中央線で行くことの方がはるかに多かった。 なぜだろう?? そんなこんなで御茶ノ水に到着。 気になって仕方ないので、 駅の料金表を見て、思い出してみよう。 どこかの駅で何かがあったのだと。 そして思った通り、駅の名前を見た瞬間 もやもやが少しずつ消えていく。 「亀戸」 ここだ。しかし、何があったのか まだまだわからない。 1つずつ紐を解いていくように 思い出そう。 本屋どころではなくなり、そのまま亀戸駅に向かうことに。 亀戸に向かう車内で、少しずつ思い出し始めた。 今から6年前の春、ちょうど大学3回生が終わったころ。 当時も塾講師をしており、ちょうど生徒の進路が決まって、 春期講習が始まるまで、少し休みがあったので 実家に帰省することになった。 京都から新幹線の指定席に乗ったとき、すでに 隣には人が座っていた。 僕はかばんから本を出し、新幹線を降りる静岡駅まで読んで いようと思った。 本を読み始めたものの、何か集中できない。 隣の人が気になってしまう。 隣の人は眠たそうで、寝ようとしているのものの なかなか寝付けず、おまけに表情も硬い。 そういうのを一回見てしまうと 気になって仕方がない。 僕は初対面の人と話すことにはあまり抵抗がない性質なので、 話しかけてみることに。 ただ、どう話しかけたか正確には思い出せないが、 おそらく「すみません、どうかなさいましたか?」的な ことを聞いたのだろう。 隣の人は、広島大学の4回生女の子。この年の3月で卒業するらしい。 名前はSさん。名字は思い出せない。 浜松で大事な用事があって降りるが、昨日ほとんど寝ていないので 眠いんだけど、乗り過ごせないっていう思いから なかなか寝られない。 そこで、僕は起きているから浜松が近くなったら 起こしましょうか?と提案した。 そしたら、彼女もお願いしますということで 彼女はすぐに眠り、僕はようやく本に集中できるように なった。 豊橋を過ぎたあたりで、彼女を起こすことに。 彼女はさっきの表情とは違い、すっきりしていた。 僕は、何かこのまま別れてしまうのもと思い、 ダメもとで、 よかったらメールでもしない?っと彼女に聞く。 彼女がどんな表情で返事したかは定かではないものの、 僕の提案を聞き入れてくれ、 お互いのメールアドレスを交換することになった。 おそらくその日の夜だったかな。 彼女は浜松から東京の実家に向かうときに メールが来た。 実家が東京だったのも。このメールで知った。 しかもそこは「亀戸」 その日の夜は、彼女は実家に着くまで メールをずっとしていた。 偶然は重なるもので、彼女が広島に戻る日と 僕が京都に戻るが一緒。 話は進み、東京からその日は同じ新幹線に乗ろうと 言うことに。 そして、その日、僕はその年忙しくて行けなかった 初詣に行きたいと提案。しかも僕はこの年、教員採用試験を 受験するから、学問の神様「湯島天神」が良いなあと彼女に メールした。 彼女は亀戸にも学問の神様がいるから、そこにしない?と。 そして僕は、京都に戻る日。甲府から亀戸に向かうことに。 亀戸駅に着いたとき、彼女はすでに駅にいた。 すぐに、二人でみどりの窓口に帰りの新幹線の指定席を取ること になった。 同じ新幹線。隣同士の指定席。東京から京都まで、僕らは また同じ時間を共有できる。 そして、亀戸の街を二人で歩いた。 そこまで、思い出したところで亀戸に着いた。 駅前は当時と少し違う印象だった。 そして、そこからどうやって歩いたのだろう と思いながら、しばらく考えた。 そして、大波が襲ってくるかのごとく 思い出される。 まず、彼女の通っていた小学校を見て、 そこから、亀戸天神社へ向かった。 おそらく他愛のない会話をしていたと思う。 他愛のない会話している時間は、 本当に至福のひとときである。 時間を忘れて。 亀戸天神社ではおそろいのお守りを買った。 そして、近くの船橋屋でくず餅を食べた。 そして、周辺をゆっくりと散歩し、亀戸駅へ。 僕はその日とまったく同じルートをたどり、 ゆっくりと思い出にひたった。 ただ、亀戸からの京都への道中については 今でも思い出せない。 それ以後、しばらくメールでいろんなことを 話していた。毎日のように。 楽しい日々であった。 しかし別れは突然来た。 彼女から1通のメールが。 この日のことはなぜかはっきりと 思い出すことができた。 「今付き合っている彼氏と卒業を機に 結婚することになり、明日入籍をします。 独身最後に良い思い出ができました。ありがとう。」 一言一句まで正確とは言えないものの こういう内容だった。 そして、僕は「おめでとう。心から祝福します。 すばらしい人生を送ってね。」と最後のメールをし 彼女のアドレスを消去した。 このときは素直に彼女の幸せを願うことが できた。楽しい思い出をありがとう と心からそう思えた。 そして、2006年1月20日 思い出に耽けながら 亀戸の街を歩いた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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