『仮定の医学』
「(略)が、先生によると、差し歯はですね、味は大丈夫にしろ、歯の根に金属をさしこんで固定しているわけですから、毎日五寸釘を打ちつけているようなものなんだそうです。将来、歯の根が割れるかもしれませんよ。こわいですね~。神経取るっていうのもですね、神経は水や栄養を運んで歯の中からの新陳代謝ってのをしてるんですな。これがなくなって歯の色が黒ずんだり、虫歯に対して抵抗できなくなったりするんですって。こわいですね~」私は左下顎に神経がない歯が1本あります。冷たい物ではなく、熱い物がしみるようになったので歯医者に行くと、「神経抜きましょう」と言われたからです。いずれは黒ずんだり、虫歯に対して抵抗できなくなったりするんでしょう。こわいです。今日は嬉々として予防歯科の話をされました。1,000円で歯の汚れを取ったり、口内の細菌の状態や口臭を調べたりしてくれるそうです。エステに比べれば物凄く安いです。清水ちなみ『仮定の医学』幻冬舎文庫、1998年10月、599円