西原理恵子『ダーリンは71歳』
「すっごく素敵だよ。熊みたいな迫力」(p.19)「黒いオバQだ。中身がケモノなのにかわいい」(p.31)「打ち上げられたメンダコみたいでかわいいよ」(p.31)『ダーリンは71歳』西原理恵子、小学館、2017年1月19日、1,000円(税抜)引用1つ目。年末年始のパーティーで着飾った西原に対する高須院長の褒め言葉です。引用2・3つ目。ドバイ旅行中、アバヤを着用した西原に対する高須院長の褒め言葉です。この本は『ダーリンは70歳』 の続編です。表紙は西原と高須院長が」野原で頬を寄せ合っておにぎりを食べている絵です。西原はおかっぱで、昔の西原です。近年、自画像として描いている『毎日かあさん』のかあさんの絵(割烹着を着てお団子ヘア)ではありません。おそらく、恋人である高須院長の隣にいる時は、西原は安心して子供に戻れるということを表しているのでしょう。作品内に時々登場する、西原が熊になった描写“りえくま”も、高須院長の前では、社会的に自立した大人の皮を脱ぎ捨てて、本能のままにしたいことをして、欲しいものを欲しがれる姿になるということを表しているのでしょう。“りえくま”の絵は、時に、目つきの悪い目も、口の悪い口も、手癖の悪い手の爪もなく、毛の生えた小さいぬいぐるみのように描かれています。ダーリンは71歳 [ 西原 理恵子 ]