きつねの鶏めし(京都駅・大阪駅など)
最近私が食した駅弁の中で食べ応えが一番あった駅弁です。京都駅で売られている焼鳥の駅弁なのですが、単なる焼鳥のみではなく、甘辛く煮た揚げやすぐき、山菜、姫竹の子などが入っているところに京風のアレンジがされていることが伺えます。一番の特徴は薬味として祇園原了郭(はらりょうかく)の黒七味が添えられているのがポイントです。この七味、唐辛子や山椒の色が隠れるまで焙煎や揉み込みが行われるなど、想像以上の手間隙をかけた逸品で、肉やつくねにまぶして食すると、ピリッとした辛味だけでなく肉の旨みも引き立ち、ご飯がより進みます。お値段も850円とまずまずで、朝に1食早めに食べても昼過ぎまで腹が持ったので、行動派の鉄道ファンにとってはうってつけの1品だと思います。製造元は神戸の老舗淡路屋で、近年は京都にも進出をしています。京都は代表的な駅弁業者が表舞台から撤退をしてしまっているので、その代わりに京都駅の新幹線コンコース内外の売店には料亭や有名店の弁当が並んでたりもしています。前回の醤油めしもそうなのですが、時代とともに消えるのではなく、残していくことも後世に文化を伝えていく大事な務めではないのでしょうか。