ひのとり#2
乗車記の2回目は車内サービスとプレミアムシート、旅のtipsなどをまとめていきます。1、車内サービスについてひのとりでは、しまかぜや伊勢志摩ライナーのような車内販売はありませんが、その代わりに前回取り上げたコーヒースポットがプレミアムシートのある1号車と6号車(8両編成は8号車)にあります。カフェスポットの写真を再掲しました。ひのとりの車内サービスの一つの売りとなるのが、挽きたてコーヒーが飲める点です。コーヒーは和菓子に合う味を追求したAGFの煎(SEN)が使われていて、4年前の伊勢志摩サミットでも提供されたプレミアムコーヒーなのです。これが1杯200円で楽しめます。勿論、コーヒーフレッシュと砂糖、マドラーは無料です。コーヒーの他には、コーヒーサーバーの隣にある自販機でココアと紅茶が販売していて、お湯は後から注ぐタイプです。ココアは150円、紅茶は100円と車内で買うには廉価であると思います。お湯は無料で提供されていますが、これが実はサービス的には隠れたポイントでもあります。駅弁を買うと同時にフリーズドライや粉タイプのスープ、味噌汁などを持っていけば、カフェスポットに備え付けの紙コップに入れて車内で温かい汁物を飲むことが出来るので、食事の質の向上につながります。この他にも、焼酎や泡盛のお湯割り、赤ちゃんの粉ミルク、薬・サプリメントの飲用など幅広い用途に使えるので旅行者目線としてはうれしい設備ですね。ただ、カップ麺やお茶漬けに使うのはマナー的に匂いの問題がありますが・・・。自販機には、ココアと紅茶以外に、お菓子としてソイジョイとクリーム玄米ブランが販売されていました。ただ、近鉄によれば、販売している品目は今後変更があるといろんなメディアで示唆していて、グッズや他の食品などが売られる可能性もあるとのことです。この他、飲み物の自動販売機が3号車にあり、これに関しては他の特急車などと共通した設備になっています。近鉄特急の代名詞のおしぼりについても、洗面所でピックアップが可能です。挽きたてのコーヒーは香りがいいですね(^~^)。ちなみにAGFの工場は鈴鹿にあり、白子からバスで15分ほどで行くことが出来ます。(工場見学は現在休止中ですが、再開したら予約したいと思います。)2、プレミアムシートひのとりの最大のセールスポイントの一つです。コンセプトの「くつろぎのアップグレード」の名の如く、国内だけでなく海外の鉄道のファーストクラスと比較してもグレードは世界的なレベルで最上位に該当すると思います。参考として、実際にヨーロッパのインターシティで使われているファーストクラスのシートを載せておきます。写真はスコットランドのインターシティで、エジンバラ、グラスゴー~アバディーン、インバネス間で運用されているファーストクラスの車内です。https://twitter.com/ScotRail/status/1190543458009800704プレミアムシートはこちら。シートピッチは1300mm。JRのグランクラスやJALの国内線ファーストクラスのピッチと双璧をなす広さで、バックシェル付きの本革仕様です。上の写真は昨年行われた上本町でのシート体験でのものですが、実に豪華でした。実車でのシートです。リクライニングやレッグレストはボタンで微調整が可能で、読書灯やスポット冷風、電動式のカーテン、コンセント、インアームテーブル、ドリンクホルダー、マルチフックなどが完備しています。リクライニングはライフラットまではいきませんが、普通車よりも大きく倒れるので十分仮眠が取れます。ひと頃の国際線ビジネスクラスのシートに匹敵するレベルだと思います。あと、窓側の框が大きいので、2Lペットボトルも置くことが出来ます。車内はハイデッカー構造で絨毯敷きになっており、静粛性は抜群でした。3、旅のTipsひのとりは6月の下旬現在で名阪の速達タイプの特急に平日10往復、土日祝日11往復が使われていますが、来年には残りの速達列車についてもひのとりに統一される予定です。また、間合い運用で難波~奈良間でも走っており、こちらは平日に2往復、土日祝日は1往復充当されています。運賃は、特急料金とひのとり特別料金を含めて難波(上本町、鶴橋も含む)~名古屋間が普通車で4540円、プレミアムシートで5240円とアーバンライナーよりも若干高めの値段になっていますが、新幹線の運賃よりは安く移動できます。もっと安く利用する方法だと、株主乗車券を使って乗るのが一つの手段になります。株主乗車券は金券ショップによって発売金額が異なるのですが、現在では概ね1500円から1900円が相場になっているので、これを基にすると1割~2割弱ほど安く乗れる計算になります。しかし、今回の乗車では株主乗車券を大阪市内のショップで1枚880円(ただし7月末が期限)と激安で入手することが出来たため、プレミアムシートにも何とか手を伸ばせました。これであればプレミアムシートの値段も3710円になるので、一般的な特急の値段と大差ない額になります。さすがに、毎回はしんどいですが・・・名阪間は時間がない、あんまり乗らないという方でも短距離でお試し乗車が可能です。難波~奈良間もしくは大和八木間であれば、乗車時間は30分前後になるのでちょっとだけ体験してみるという方法も全然ありです。これらの区間であれば、特急料金は520円でこれに普通車は100円、プレミアムシートは300円を足せば気軽に乗れるレベルになります。結論から申し上げますと、JRのグランクラスに乗るよりもコスパは十分にありますし、欧米のファーストクラス以上のグレードを気軽に楽しめるという点では、ひのとりは管理人もおススメの車両です。工夫次第では食事も車内でグレードを上げて楽しむことも可能ですし、来月どこかで時間使って乗りにいきたいですね。