かぎろひ(近鉄スナックカー)
Twitterにも投稿をしましたが、近鉄のスナックカー12200系ががいよいよ3月のダイヤ変更に伴って定期運転から引退します。同時に60年にわたって親しまれた濃紺とオレンジの近鉄特急色も終了することに。3月以降も団体列車として運転は予定されていますが、今のしまかぜやひのとりに繋がる豪華特急のはしりとなった車両だけに歴史的意義の高い車両でありました。1975年にはエリザベス女王も乗られるなど、皇族を含めたVIP輸送にも活躍をしました。スナックカーは定期運用からは退きますが、乗りものニュースや新聞報道によれば、団体専用列車としては存続をする見込みです。今日取り上げる「かぎろひ」はスナックカーを改造したジョイフルトレインで、近鉄の子会社のクラブツーリズムが保有をしている珍しいタイプの車両です。管理人はこの車両に実は乗ったことがあり、少しではありますが紹介をしていきたいと思います。外装は濃いグリーンと金帯の装いにリニューアルされていますが、スナックカーの面影がくっきりと残る出で立ちです。写真は高安の車庫を入れ替えている途中の様子です。望遠レンズで撮影をした遠景です。かぎろひは運行時は2両が基本ですが、ツアーの内容によっては4両運行も可能になっています。車内です。イベントスペースの部分は立ち飲みも出来るようになっています。荷物置き場に活用されることも。妻面は後期に改造されたスナックカーの意匠を引き継いだデザインです。シートはフリーストップ型のリクライニングシートで、これも後期にリニューアルされた車両のアコモデーションと同じです。シートの表地は特急用のものとは異なります。かぎろひはサービスカウンターにビールサーバーが設けられていて、ツアーによっては有料ですが生ビールが楽しめるサービスがあります。スナックカーは登場当初、車内で供食サービスが行われていて、アルコールだけでなく、カレーやサンドイッチなども食べることが出来たそうです。当時、提供されていたメニューが以下のブログで掲載されています。「豆たぬきのつれづれ日記」https://ameblo.jp/tanutch2002/entry-12236964480.html供食サービスは、新幹線やブルートレインの食堂車と比べて品数が少なく、昭和40年代の乗車率が芳しくなかった時代の名阪特急のテコ入れ策とはならなかったようで、数年で打ち切りとなってしまいましたが、国鉄やJRの一歩先をゆく車内設備やサービスに関する発想はアーバンライナーや伊勢志摩ライナー、しまかぜ、青の交響曲、ひのとりなどに受け継がれています。確かに、登場当初のスナックカーは普通車ながら国鉄車よりも広いピッチのリクライニングシート(新幹線は940mm、国鉄の特急が910mmに対し980mm)を装備し、食事も出来る車両であったことから、在来線の特急よりもグレードの高い車両でありました。こういったコンセプトは、近鉄の魅力の一つでもあるので是非受け継いで沿線の活性化に寄与してもらいたいですね。かぎろひは通常はクラブツーリズムのツアーの一環で利用するケースが多いので、お目当てのツアーが見つかったら是非、使ってみて下さい。クラブツーリズムHPhttps://www.club-t.com/sp/special/japan/kagirohi/これ以外での利用方法では、10月に行われる近鉄鉄道まつりの五位堂~高安間のお試し乗車で乗るチャンスがあります(ただし、運用される車両は毎年変わるので概ね3年おきのインターバルでの運行みたいです)。普段乗れない列車に乗ることも、乗り鉄の醍醐味であると改めて感じました。もう一つ、近鉄の豪華特急は伊勢神宮の式年遷宮に合わせて登場する傾向があります。と、なると次の式年遷宮は2033年になるので、このときにしまかぜを上回る豪華特急が登場する可能性は高そうですね。その前に、4年後の万博で夢洲~奈良などを結ぶ「あやかぜ」(仮称)がどんな車両(日本初のパンタグラフと第三軌条による異なる集電方式の複電圧車)になるか、こちらも気になるところです。