381系、最後の乗車記 #1
国鉄特急型電車の最古参だった381系がいよいよ6月に定期運用を終えることになり、引退のカウントダウンに入りました。381系は日本初の振子式特急電車で、初めはしなのに投入された他、くろしおややくも、晩年にはこうのとりやきのさき、はしだてなどの丹波・但馬方面の特急にも入るなど、半世紀に渡って活躍を続けてきました。国鉄車の淘汰が急速に進む中、特急車も寄る年波には抗えない形です。定期列車の乗車記は今年はひのとりに続く2回目で、山陰への旅の参考にしてもらえたらと思います。現在、現役で使われているのはやくものみで、岡山~出雲市間の陰陽連絡路線に充当されています。ここで走る381系はアコモ改良や塗装変更が多く行われていて、車内は683系や289系並みにグレードアップが図られています。引退前ということで、ゆったりやくも色以外に国鉄色、スーパーやくも、緑やくもと4種類の色の異なる車両が混じって走ってます。乗ってきたのはこちら。スーパーやくも時代のすみれ色のカラーリングに復刻したもので、およそ10年間走っていたものです。この当時は速達タイプがスーパーやくもとして走っていた時代で、今よりも所要時間が短く、さらには倉敷~米子間をノンストップで走る列車もありました。入線前の1コマ。スーパーやくもは、当時のスーパーくろしおと全く顔が同じパノラマグリーン車が連結されていました。やくもに戻ってからもそのまま残されていたので貴重です。岡山を発つ前です。現在のやくもの編成は4両が基本の短いものになりましたが、6両も残されています。273系置き換え後は4両が基本編成となり、多客時に8両に増結されます。273系は詳しくは振り返りで述べる予定です。最後の乗車ということで、奮発してグリーン車にしました。JR西日本の株主優待券を使って乗ったので、指定席とグリーンとの差があまりなく、この度乗ってきた岡山~米子間だと、指定席とグリーンとの差が1000円強だったため迷わずチョイス。グリーン車のシートは、ゆったりやくもにアップグレードしたときに683系や289系のものに準じたものに交換されているので、リクライニング角度が深く、乗り心地は抜群でした(^ー^)。グリーン車を使う場合、岡山からだと米子、松江までは200km以内になるので差が少ないですが、出雲市までいくとグリーン料金が跳ね上がるのでご注意を。乗車後、グリーン席を倒してみたときの様子です。普通車のシートよりも深く倒れるので、睡眠の取りやすいものでした。新幹線のシートと比べても豪華だと感じます。ピッチは1160mmで、これは国鉄時代からの規格です。普通車のシートはこちら。1982年から走り出した当初は青の簡易リクライニングシートで、ピッチは910mmとこちらも国鉄標準規格の間隔となっていました。ゆったりやくもリニューアル後は、このシートに換装され、間隔も1000mmに拡幅。背もたれも大きく倒れるので大分改善されました。そして381系の最大の特徴の一つがコレ。1人掛けシートがあることです。381系は低重心設計になっていることから、冷房が床下に置かれていて天井が低い構造です。そのため、冷房用のダクトを屋根上に設けることが難しく、側面に出っ張った構造になっており、その部分の座席にしわ寄せがきている形なんですよね。これは1人での旅行の際には結構重宝します。自由席だった時代はこの席は穴場でした。3月のダイヤ改正からは全車指定席になったので、券売機もしくはみどりの窓口で前もって押さえる必要がありますが、これが出来るのもあと僅かです。乗車記と振り返りについては、この回を入れて3回でまとめていきます。