チキン弁当(東京駅など)
観光列車の乗車記は今年はいっぱいありますので、まだまだこれからアップをしていく予定です。その前に久々、東京駅の駅弁を1つ。今年は東海道新幹線が開業して60周年のメモリアルイヤー。これと同時に発売されたチキン弁当です。海外からの客を意識した洋食仕立ての内容で、上皇陛下が半世紀以上にわたって愛するロングセラー駅弁。行幸の際のお友として定番だったそうです。パッケージは何回かリニューアルされていますが、昔懐かし鶏を全面に押し出した当時としてもモダンなデザインに仕上がっています。昭和の雰囲気が漂います。中身はチキンライスにフワフワのスクランブルエッグとドライトマト、グリンピースのトッピング。右側には鶏の唐揚げと付け合わせの紫キャベツのピクルスにスモークチーズが入ったシンプルな構成です。唐揚げは、添付のレモン汁をかけて頂きます。60年経った今でも根強い人気のある安定の味で、気軽に洋食を味わいたいときには重宝します。価格は900円とやや値上がったものの、1000円を切る駅弁が珍しくなってきた時代に低予算で食べられるので貴重な存在です。味は結構濃いめで、昔の洋食屋さんの素朴な味を体現したものになっています。唐揚げは鶏ももをしっかり揚げているので固めの歯応えですが、肉に火がちゃんと通っているので安心して食べられます。この駅弁、お酒との相性も◎で、ビールやハイボール、ウイスキー、焼酎のお湯割りやロックにめちゃくちゃ合うんですよね(^~^)。特に夕方の新幹線で仕事帰りに一杯兼ねてこの駅弁は、中毒性が高いのも頷けます。入れ替わりの激しい駅弁業界にあって、還暦を迎えることができる駅弁は本当に数えるほどで、それだけのヒット作であったことが伺えるものです。また、10月からは特別バージョンとしておかずが追加されたスペシャル版が発売される他、嘗ての日本食堂のロゴが復活したパッケージも復刻されるとのこと。世界の鉄道の潮流を変えた影の立役者として、その存在は大きいんですよね。ロイヤルファミリーが愛する町の洋食屋の味。皆さん、一度は味わってください。