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カテゴリ:駅弁
今日、スーツさんと並ぶ人気鉄道Youtuberの西園寺さんプロデュースの西園寺鉄道に足を運んで参りました。西園寺鉄道の様子につきましてはnoteで訪問記を綴っていく予定です。
今日のアップは駅弁で、期間限定の駅弁として海外でパイロット販売された異色のものです。その名もパリリヨン弁当。これは名の通りパリのリヨン駅でJR東日本の子会社NRE(日本レストランエンタープライズ)がポップアップショップとして売り出していたフランスの駅弁なのです。 パリ市内には主要なターミナル駅が以下の6駅あり、目的地に応じて使い分けていく形は日本とさほど変わりありません。東京の例で挙げると、信州・松本方面は新宿、東北・常磐方面は上野、東海道新幹線は東京のような感じです。大阪だと、新大阪や大阪、難波、天王寺(あべの橋)、上本町、淀屋橋といったような捉え方になります。 ・北駅(Gare du Nord):リールなど北部方面の列車、シャルルドゴール空港やオルリー空港への空港アクセス列車が発着します。ロンドンへのユーロスターやベルギー、オランダ、ドイツへ向かうタリス、Trenhotel(夜行国際列車)はこの駅から乗ります。管理人もロンドン在学時代にパリに行ったときには、一番よく使っていた駅です。 ・東駅(Gare de I'Est):アルザス・ロレーヌ地方(ナンシー、ストラスブールなど)やシャンパーニュ地方(ランスなど)への列車、ドイツ、スイス方面のTGVなど東側の都市へ行くときに使います。 ・リヨン駅(Gare de Lyon):ブルゴーニュ地方やリヨン、地中海側の南部地域(マルセイユ、カンヌ、ニース、モナコなど)やスイス、イタリア方面への起点駅です。 ・サン・ラザール駅(Gare Saint-Lazare):パリ北西部近郊区間やノルマンティー地方へのアクセス駅です。TGVが発着しないので、観光客にとって使う頻度は若干少ないかもしれません。 ・モンパルナス駅(Gare de Montparnasse):西部や南西部の町(ルマン、レンヌ、ボルドー、トゥールーズなどへの発着点で、近代的な外観が特徴の駅です。世界的に有名なモンサンミッシェルへはモンパルナスからの列車が便利です。 ・オーステルリッツ駅(Gare d'Austerlitz):南部方面や夜行列車が主に発着する駅で、マドリードやバルセロナなどスペインへの夜行列車も始発です。TGV開業前は、新幹線のこだまに匹敵する高速列車だったボルドー行きの「アキテーヌ」や「エタンダール」、トゥールーズ行きの「キャピトール」がこの駅から出ていました。 この他にも、主要駅の一部になりますが、インターシティの発着駅としてベルシー駅(Bercy)があります。こちらは東京の両国駅や大阪の中之島駅といった感じの地味な存在の駅なので、鉄道ファンでもあまり馴染みのない駅なのですが、撮影などでの隠れスポットであるので訪ねてみるのも面白いです。ちなみに同じヨーロッパでもロンドンは主要なターミナル駅が11あるので、パリよりも行先のバリエーションが豊かでかつ複雑ですが、初めて行かれる場合はパディントン、セントパンクラス、キングズクロス、ユーストンの4つは覚えておくとよいでしょう。番外編でnoteなどでロンドン市内の駅の使い方については別にアップも検討中です。 参考資料:ロンドンの主要駅 ・キングズクロス(King's Cross)→ヨークシャー地方やエジンバラ、アバディーン、インヴァネスなどスコットランド方面への玄関口、ケンブリッジへはノンストップ快速が出ています。 ・セントパンクラス(St. Pancras)→ユーロスターの発着駅ですが、ミッドランド地方の主要都市(レスター、ノッティンガムなど)への始発駅でもあります。 ・ユーストン(Euston)→バーミンガムやマンチェスター、リバプール、グラスゴーへはこの駅を使います。スコットランドへの寝台列車Caledonian Sleeperも利用できます。 ・マリルボン(Marylebone) ・パディントン(Paddington)→ヒースロー空港への空港アクセス(Heathrow Express)の起点ですが、イングランド南西部やウェールズへ行くのにはこの駅からのインターシティを使います。オックスフォードに行くのもこの駅からです。 ・ビクトリア(Victoria) ・チャリングクロス(Charing Cross) ・ウォータールー(Waterloo) ・フェンチャーチストリート(Fenchurch Street) ・リバプールストリート(Liverpool Street) ・キャノンストリート(Cannon Street) その他には中間駅ですが、主要駅に匹敵する駅としてロンドンブリッジ(London Bridge)やブラックフライアーズ(Blackfriars)、ストラットフォード(Stratford)などがあります。 駅弁に話を戻しますと、そもそもフランス限定の駅弁が何故食べられたのか?という理由ですが、一時期東京駅でも限定発売をしていた時期があり、そのタイミングで購入できたことがきっかけでした。早速中身を見ていくことにしましょう。 初めは弁当の掛け紙です。掛け紙は日仏の両文化を織り交ぜたものになっていて、昇る日の丸とリヨン駅、梅と凱旋門、エッフェル塔、海のさざ波が組み合わさったシックなデザインが採用されています。 掛け紙の裏側には料理の献立が日本語とフランス語の両言語で書かれていて、初めて食するフランス人の方への配慮をしています。お品書きは以下になります。 ・玉子焼 ・蒲鉾 ・豆腐田楽串 ・山菜漬 ・花人参煮 ・蛸とわかめのマリネ シャロレー牛のすきやき風 ・シャロレー牛 ・こんにゃく ・茄子 ・牛蒡 ・人参 ・いんげん ・二色パプリカ揚 ・白飯 ・ふりかけ ・漬物 ・2種のカステラ パリリヨン弁当の中身です。フランス料理のエッセンスが採り入れられているため、前菜、メイン、ご飯もの、スイーツというコース料理の形態となっています。おかず等を盛り付けている器は紙製ですが、陶製の柄が入った凝ったものを使っています。また、ご飯にふりかけがかかっていますが、これはフランスでは白飯をそのまま食べる習慣がないため、味をつけて食べやすく工夫をしているとのこと。 特徴的なのはシャロレー牛のすき焼き風。フランスの食材を敢えて使っているところに、現地での駅弁文化を根付かせたいという思いが感じ取れます。シャロレー牛はフランス原産の牛で、赤身の多さが特徴です。欧米では霜降りの入った肉よりも赤身の多い肉が好まれる傾向があるため、歯ごたえや食べ応えは全体的に硬く、そのあたりの食文化の違いも日本人にとっては踏まえる必要があります。管理人の英国大学院時代も牛肉となるとアンガス種やヘレフォード種など赤身の多い牛肉を食すことが多かったですね。これらの牛肉はローストビーフやステーキ、グリル、ポワレなど肉質を活かした料理に適しています。 さて、お味ですがフランスの食材を使ってはいるものの、日本の食文化を前面に押し出したものになっていました。こってりしたおかずも控えめで、ご飯にふりかけがかかっていて日本人にとっては安心感の出る献立ではあるかと感じます。逆に現地のフランスの方にとっては新鮮だったかもしれないですね。そこそこの値段で和食を楽しめる面白い機会になったかと思います。 〆のスイーツについてもカステラ(シンプルなものと抹茶の2種類)で、これも懐石というか日本風のコース料理を堪能してもらう意図が満載です。TGVや夜行列車などの車内で駅弁というのは滅多に体験できないものですが、2018年にも駅弁の販売はリヨン駅で行っていたのでコツコツとイベントを重ねて常駐にまで持っていけるよう交流を重ねていって欲しいなと思っています。 海外での駅弁販売は、食文化の理解と現地でのマーケティング、料理の嗜好、食材の調達など簡単なものではないのですが、日本の味を知ってもらう貴重な機会となるので、是非これは欧米でも広めてもらいたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.07.17 20:58:17
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