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カテゴリ:駅弁
先日Twitterでもツイートをしましたが、秋田の鶏めしの代表格である大舘の花善さんが11月からパリのリヨン駅に常設店舗を出すことが決まりました。期間は半年間ですが、駅弁文化がフランスをはじめヨーロッパで浸透するか、一つの試金石になりそうなチャレンジが始まります。リヨン駅出店中は、3年前に開設した北駅近くの路面店が仕込みの拠点に変わり、ここから鶏めしをはじめ数種類の駅弁が提供されるとのことです。
花善さんの鶏めしは戦後の食糧難の時代に配給で得た米、砂糖、醤油、牛蒡をまとめて炊いたことが今の駅弁の原型になっていて、これに鶏肉を入れて炊いたものを鶏めし弁当として1947年に売り出したのが始まりです。以来70年以上に渡って秋田を代表する駅弁として親しまれ、全国的な認知度もが高く、地元の大館市では学校給食にも出てくるほどのメジャーな弁当に発展しました。また、トワイライトエクスプレスが現役で走っていた頃には、大雪による不通などで大館に停車中の際に、乗客に非常食として振舞われたこともあるなど、旅行客を勇気づけたのは有名なエピソードして知られています。 ここで取り上げる鶏めしは通常版の鶏めしの鶏に比内地鶏を使った上級タイプのもので、副菜も追加された一折となります。 初めは掛け紙です。通常版は赤系の色が目立つものですが、このバージョンでは紙も上質紙を使っており、黒と茶系のシックな色彩が高級感を醸し出しています。 中身はこちらです。ごはんは通常版をベースにしていますが、比内地鶏の塩焼きとそぼろが入っている点が異なります。副菜には茄子の田楽が入っている他、牛蒡の煮物やがんもどきなどおかずもグレードアップしています。地鶏は塩焼きにしていることから、醬油ベースの炊き込みご飯の味との絡みを考えると少し塩辛いという意見も駅弁サイトではちょくちょくと見かけますが、濃厚な地鶏の旨味についてはしっかりと堪能できる駅弁だと感じます。管理人が食べたときは地鶏を敢えて最後に残して食べましたが、固い歯ごたえとコクのある旨味は地鶏の特徴でありますので、辛口の日本酒や焼酎、ビールが特にピッタリです。ごはんは鶏のスープがしみ込んでて滋味深いものでした。折尾のかしわめしと双璧をなすという意味も理解できるだろうと思います。 鶏めしはこの他にも色々なバリエーションがあり、現在は終売をしていますが鶏樽めしは復刻販売時には全国で大きな反響を呼びました。鶏樽めしは7年前の阪神百貨店の駅弁大会で購入して食べたことがありますが、ボリュームもさることながら大ぶりの鶏肉やいそあげ(練物)、帆立も入っていたので食べ応えのある弁当でしたから、今後も定期的に復刻してほしいなあと願わざるにはいられません。 最後にパリの駅弁についてですが、ポップアップ店舗に関しての話題はパリリヨン弁当でも述べましたが、JR東日本が主導となってお試しで行った実績が今回の出店に繋がったということも触れておく必要があると思います。今度は駅弁業者が単独で乗り込む形ですから、是非とも成功してほしいですね。 Bon courage!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.09.18 13:42:04
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