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なめこ先生の我ら食べ鉄道中記

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2021.12.03
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カテゴリ:JR九州D&S列車
※はやとの風については月末に鹿児島に遠征する際に最後の乗車をする予定にしています。この乗車記ではタイトルに付番をつけて「#1」にし、次回の乗車では沿線のおもてなしや車内限定グッズなども紹介をしていく予定です。

来年秋に西九州新幹線の開業に合わせて走り出す「ふたつ星4047」の具体的なデザイン概要が発表になりました。種車は既報の通りキハ40と47なのですが、この種車が「はやとの風」の2両と「いさぶろう・しんぺい」の予備車(以下「いさしん」と表記)という予想を覆す展開となり、ファンの間でも驚きを隠せない人も多いことでしょう。

ふたつ星4047のデザインと内装については以下のHPから見ることができます。​https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2021/11/26/211126_4047_design.pdf

種車に上記の3両を使う理由は、改造にかける期間短縮と予算の削減が考えられます。また、肥薩線が長期間の不通が確定的になっていることから、はやとの風単体だけでは収益が見込めないと判断した他、いさしんの予備車の使い道がほとんどないこともその充当理由に挙げられそうです。

キハ40、47を一般車の状態から改造すると、「かわせみやませみ」では2両で2億3000万かかっているように、車体の補修や外板の張り替え・強化、台車の改造など大掛かりなものになってしまうので、近年の財務状況も鑑み、予算をかけられないというJR九州の社内事情が大いに関わっているのではないでしょうか。一方で既にD&S列車で運行されている改造車であれば、車体をそのまま活かすことが可能で基本的に内装と外装をリニューアルするだけで済みます。これはJR西日本で行ってきた「〇〇のはなし」と「etSETOra」と同じパターンで、観光列車の再改造としては3例目です。

はやとの風は一応、今月から一旦運行を再開して3月にさよなら運転が予定されているので、小倉工場での改造は来年の春からになります。そこで、一足早いですがこの列車について過去に乗ってきた乗車記を兼ねて振り返りを行いたいと思います。



はやとの風は肥薩線のD&S列車として鹿児島中央~吉松間で運行されている特急で、本来は吉松でいさぶろう・しんぺいに接続するダイヤが組まれています。ただ、豪雨被害前でも乗客数が少なかったことから、近年は臨時列車化されていたので、乗るチャンスはデビュー前と比較して少なくなっていました。外装は黒一色で、非常に目立つ出で立ちです。



内装は濃いめの木材が多用された落ち着いた色彩で、リクライニングシートが並びます。



各車両の真ん中には展望デッキになっていて、天井からの陽光が降り注ぐ明るい空間になるように仕立てられています。




停車駅は肥薩線内で多めに設定されているので、途中大隅横川と嘉例川で5分ほど停車して散策が楽しめます。



大隅横川駅です。古い駅舎が現代まで残っているのは非常に貴重です。



この列車の一つのハイライトは嘉例川駅での散策とおもてなしです。週末には駅弁も販売される他、JR主催のウォーキングの起点駅としても活用されます。鹿児島空港までは歩いて4kmありますが、1時間ほどあれば行くことができます。空港から歩いて嘉例川まで行ってからはやとの風に乗る乗客も、少数ですがいる模様です。



このブログでも取り上げました「百年の旅物語 かれい川」です。山の幸だけでも大満足のヘルシー駅弁です。次回の乗車で予約をかけていますので、しっかりと味わってきたいと思います。



吉松ではキハ47の3列車が並ぶ光景を見ることができたのですが、この姿ともお別れです。

はやとの風はJR九州の観光列車としては初期のものになるため、D&S列車の嚆矢ともなった車両です。本社の方でも、霧島地区は観光資源に富んだ場所と認識をしているので、肥薩線の復旧の目途がついたら、新たなD&S列車の計画もあるかもしれません。ただ、肥薩線は全線がつながってこそ観光ルートとして活用が可能になるので、時間的に一刻の猶予もないのです。3月からは吉松駅が無人化されることも発表になっているので、これ以上の過疎化は許されません。

今回、D&S列車が配置転換になるのは、初めてのケースになります。これが九州の亜幹線だけでなく観光列車のリストラにならないことを願うばかりです。





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最終更新日  2023.09.03 09:48:57
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