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なめこ先生の我ら食べ鉄道中記

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2022.04.12
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カテゴリ:定期列車


国鉄型気動車の今年の動向です。電車と同じように昨年からの変化を追っていますが、気動車についても運行範囲は狭まっていて、特に北海道を中心に更新が進みました。大きく変わった点は、現役で運行しているものが6形式から5形式に減ったことと、キハ40の残存数が特に減少してきているところです。こちらについても短期的な予想を立てながら見ていきます。

※7月24日にアップデートを行いました。(JR四国の資材調達情報を反映)

1,キハ32,キハ54、キハ185系
これらの3形式は当面、現状維持で推移するものと予想されます。ただ、四国で走るキハ32と暖地用のキハ54については、将来の置き換えも視野に入ってきたかなと考えています。今年度のJR四国の事業計画には、新型気動車の仕様書作成が盛り込まれているなど、高効率、省エネ、低燃費の環境対応型の気動車を将来的に入れる文言が出てきました。これらの2形式は国鉄末期に導入された車両のため車齢も35年が経過しており、エンジンや足回りの老朽化を考えると、更新の時期に入ったかなと考えることは容易です。加えて、資材調達に関する意見招請に関する公示が発表され、電気式気動車を2027年~30年にかけて50両~80両程度導入することが明らかになりました。

この公示が出るということは、早かれ遅かれ国鉄型気動車の一新を意味するものであり、少なくともキハ32,40、54は今のうちに記録をしておいた方がよい形式となりました。新型車は電気式であるということから、GVE-400やH100などをベースとしたものが予想されます。となると、川崎車両や新潟トランシスの動向も見ておいた方がよさそうです。先ずは3年後に量産先行車が2両作られる予定であるので、その結果を見て量産車の仕様が決定されますが、いずれにせよディーゼル車の淘汰がJRグループ全体に波及しそうな感じにもなってきました。

キハ185系については、車体がステンレスであるのと直噴エンジンを搭載していることから、性能的にそこそこ使える車両であるので、10年はそのままいくのではないでしょうか。JR九州の20両については、元々のエンジンだったDMF-13HSからコマツのハイパワーエンジン(355ps×2)に換装しているので、ブレーキを改良すれば130キロ運転も可能な性能にパワーアップされています。JR四国の方は、2代目伊予灘ものがたりが先週運行を開始したように、ものがたり列車の種車になっているので、もう2両は4つ目のものがたり列車になるのではないかと予想しています。

2,キハ183系
北海道の特急車は将来的に、キハ261系が全ての系統を受け持つことが予想されます。現在、オホーツクと大雪で使われているキハ183系についても、ついに来年3月での定期運行終了が公式に発表されました。フラノラベンダーエクスプレスなどの臨時特急で使用されているノースレインボーエクスプレスについても、同じく来年3月で引退となります。その石北本線で次に使われる車両は、何とキハ283系でおおぞらから撤退した車両が今度はオホーツクと大雪で運用を再開するという、おそらく暫定的な措置がしばらく入ることとなりました。来年のダイヤでは動力性能の向上による勾配区間や札幌~旭川間でのスピードアップが可能になるので、今の所要時間よりも幾分かですが、時間短縮が図られることが見込まれます。これで来年度以降、通年で走るのは熊本にいるあそぼーい!のみとなります。

3,キハ66
YC1の増備に伴って昨年の6月に営業運転を終了した車両です。現在は廃車解体待ちであることから、八代と熊本から2つ南の川尻に保管されています。

4,キハ40
残存数が多いので会社別に考察をしていきます。現時点で営業運転に供されている車両は4月現在で467両と堅牢な車体と合わせてエンジン換装を大部分の車両で施していることから、まだまだ50%以上の残存率をカウントしています。今後ですが、115系と211系の廃車が進むと、しばらくはキハ40が電車と合わせた国鉄車の最大形式になるものと予想されます。

A:JR北海道
3月のダイヤ改正で新得から釧路までの根室本線での運行を終了した他、石北本線の旭川~上川間の大部分の列車がH100に置き換えられました。エンジン換装車の1700番台の廃車も釧路で始まっています。今年度もH100は継続して増備が予定されていて、来年のダイヤ改正では富良野線や石北本線の上川以東(上川~遠軽~網走)の区間にも充当されるのではないでしょうか。H100は4両が観光列車としても運用される予定になっていて、北海道の恵みシリーズを置き換える見込みになるかと思われます。

B:JR東日本
現役で運行しているのはリゾートしらかみのくまげら編成、クルージングトレイン、越乃Shu*Kura、風っこのいずれも観光列車計11両だけです。ただ、老朽化が激しいのでハイブリッド車への更新計画は水面下で進んでいるものと思われます。

C:JR四国
初代伊予灘ものがたりが引退し、残りは徳島で走っている20両のみとなっています。高松までの長距離運用もありますが、主に徳島~鳴門、阿南、板野までの短距離運用がメインとなっていて、こちらも、将来的に新型気動車への置き換え対象になっており、数年が勝負となりそうです。

D:JR九州
ローカル線の財務状況が良くないことから、気動車の更新は長崎に今のところ限定されているのが実情です。ただ、グリーンボンド(環境債)を調達した上での車両更新は計画されていることから、乗客の比較的多い筑豊の路線は置き換え対象には上がる可能性があります。特に北九州市はSDGs(持続可能な開発目標)の推進を積極的に行っていることから、新車の入れ替えは行政レベルでも俎上に上がってくるでしょう。実際、日田彦山線で蓄電池車の試験走行を行った実績があることから、気動車ではなくBEC819での置き換えも選択肢かと考えられます。

E:JR西日本
2両が廃車になりましたが、それでも252両が現役で稼働しているなど、特に中国・山陰で大量に残っています。現在はDEC700の性能試験が行われているところで、量産車の製造については、性能試験の結果いかんになりそうです。ただ、地方路線の路線別財務状況が公表されたことから、新型車については乗客の比較的多い区間からの置き換えになるかと思われるので、更新のペースは遅くなるかもしれませんが、財務状況の良くない北海道や四国が新型気動車への置き換えを具体化しているので、西日本についても安全面を重視した経営スタンスを取っている以上、車両更新は不可避でしょう。

まとめ
国鉄型気動車は600両台前半が営業運転についていますが、そのうちのおよそ8割はキハ40で占められています。電車よりも廃車のペースが鈍いのでまだまだ現役で見られそうですが、車齢やエンジンの耐用年数を考えると10年程度が一つの目途になるかと思われます。ただ、気動車については今後、製造される数については年々少なくなっていくものと予想しています。気動車は排出ガスやCO2の量が電車と比べても多く、温暖化の要因の一つにもなっているので、H100やHC85などのハイブリッド車といった過渡期を経て、蓄電池車や水素電池車に非電化区間の運用は将来的にはなっていくものと思われます。





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最終更新日  2022.07.24 21:38:00
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