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カテゴリ:観光列車
年末の乗り納めは近鉄のあをによしです。4月にデビュー後、人気が高くなかなか切符が取りづらい観光特急でしたが、著作の営業と交流先でのご挨拶とを兼ねて宇治に出向いたときに乗ってきた乗車記となります。乗車記は3回に分けて綴っていくことにします。
あをによしの種車は新スナックカーの12200系で、改造後は19200系に改番されました。実はこの車両、英国のエリザベス女王が1975年に京都から伊勢志摩まで御乗車になられたお召し列車で、女王と夫のフィリップ殿下は奈良方の1号車に乗車されています。また、同年には昭和天皇と香淳皇后のお召し列車としても充当されるなど、当にVIP編成が観光列車として生まれ変わる稀な例となりました。VIP気分を味わいたい方には、女王夫妻や昭和天皇の御料車である1号車は外せませんね。 車体は紫のメタリック塗装が特徴ですが、もう一つこだわったエンブレムも特徴の一つです。このエンブレムは「吉祥文様花喰鳥(きっしょうもんようはなくいどり)」という、瑞鳥が花枝などをくわえたデザインとなっていて、乗ったら縁起を担ぐおめでたい文様がベースとなったものです。近鉄のHPで初めて知りましたが、天平文化の奥深さを掘り下げる試みがなされています。また、車体の紫は冠位十二階の最上位に位置する大徳、小徳を表したもので、気品さと重厚さを兼ね備えた色彩が採用されました。 車体側面の唐花模様は、東大寺正倉院に所蔵されている螺鈿紫檀五弦琵琶をイメージしたものです。側面の方向幕は種車のスナックカー時代のものがそのまま残されており、嘗ての名車の名残を見ることができます。 2号車のサロンカーは、改造の際に客室側の窓が大型化され、開放感あふれる外観となっています。西武のラビューよりも窓のサイズは大きいです。 1号車、3号車、4号車の車内はツインシートで構成されています。右側は対面になっているのに対し、左側は三角形の大型テーブルを挟んで斜めに向かい合うレイアウトです。実は左側の座席は奈良線を走る際の眺望が非常に良く、瓢箪山~石切間では大阪平野を眼下に眺めることができます。最終の第8便では、大阪市内の夜景も見ることができるおススメのシートなのです。 各テーブルには、正倉院の宝物をイメージした瑠璃色の照明が置かれていて、各座席のアクセントになっています。 あをによしの一番のセールスポイントはこのシート。スポッと包み込む座り心地が特徴で、家具メーカーの相合家具製作所さんが手掛けた特注品です。リクライニングはしないものの、長く座っても疲れにくいデザインで、ヨーロッパのインターシティのファーストクラスに採用されてもおかしくない位の高機能なコントラクトシートでした。ちなみに完成までには1年以上かかっています。 相合家具製作所公式HP https://www.sogokagu.co.jp/ あをによしに関するプレスリリースはこちらから↓↓↓ https://www.sogokagu.co.jp/news/6675/ 2号車のサロンシートは、3人~4人向けのグループ席として3室設けられています。セミコンパートメント構造で、高級感満載です。 通路はアーチ構造で、天平文様があしらわれた絨毯と相まって落ち着いた雰囲気です。 洗面所の手洗いボウルは丸型の陶器製のものに変更されました。どことなくデザインや形は伊予灘ものがたりの洗面所とよく似た造りになっています。 トイレは短期間の工期ながらも、ウォシュレット完備のものにリニューアルされています。勿論、TOTO製です。3号車は車いす対応の大型スペースのトイレで、バリアフリーにもしっかりと対応しています。 4号車には青の交響曲と同じく、ライブラリーが設けられています。 ライブラリーでは、沿線にちなんだ書籍やあをによしを特集した本を読むことができます。 乗車したそこから高級感漂うVIPトレインの様子ならびに車内販売については、次の回で紹介をしていきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.12.30 14:37:04
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