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カテゴリ:観光列車
昨年の10月にサービスの大幅なアップグレードが行われましたが、注目をされているのは、やはり食事です。従来は往路が洋食、復路が和食と担当するお店は2つだったのですが、今回からは4つのお店が日替わりで担当し、バリエーションがより豊かになりました。担当するお店は以下になります。 【午前便(主に洋食、無国籍料理)】 ①シェ・トヤのワインコース(結婚式場が作るワインに合うフレンチ) ②デュオ・セレッソの宝石箱コース(和洋中の無国籍料理) 【午後便(和食)】 ①百年料亭・宇喜世の釜めしコース(老舗料亭が作る釜めし) ②割烹・汐路の漁師の豪快コース(新鮮な海の幸をふんだんに使った漁師料理) いずれのコースも非常に豪華で内容もかなり独創的です。結婚式場が観光列車の料理を担当するのは、おそらくJRや全国の私鉄を含めても初めてでしょう。出来立ての釜めしが車内で食べられるのも、非常にユニークで野心的な試みだと感じましたね。昨年以来のリピート乗車は、この釜めしがめあてでした。早速料理の概要を紹介していきます。 料理の提供前には、写真のようにランチョンマットから水、コースター、食器、メニューなどがしっかりと準備されます。これは全部持ち帰りが可能です(右側のスプーンを除く)。 コースターはサービスのリニューアル開始時から、デザインが変更されました。ミネラルウォーターのラベルも、雪月花オリジナルに変わっています。 ウェルカムドリンクはスパークリングワイン、りんごジュース、ほおずきサイダーの3種類から選べます。今回はほおずきサイダーをチョイス。甘酸っぱい爽やかな味でした(^~^)。これはなかなか味わえないレアなものでしたよ! 準備中の料理です。実際に提供されるのは、筒石に停車中の間からになります。 1年ぶりの三段重とのご対面です。料理のコーディネーティングは、引き続き岩佐十良氏が担当しています。 三段重の中身はお酒に合う前菜です。いずれのお重も玄人好みの厳選した料理が並びます。 【一段】 ・鯛味噌 ・有間川産もずく、オクラ、パプリカ赤・黄 ・する天(スルメイカの一夜干しの天婦羅) ・鱧梅肉和え 【二段】 ・鯛塩焼き ・サザエ壺焼き ・とうもろこし ・枝豆真丈 酒粕チーズ 【三段】 ・新潟産ビアンカ豚の冷しゃぶ ポン酢ジュレ(ヨーグルトのホエイを飼料として与えたブランド豚) 前菜はあくまでもメインの釜めしの前のお楽しみでありますが、これがいい味なのです(^~^)。魚介類がとにかく新鮮で、素材本来の味が楽しめます。鯛の塩焼きやサザエの壺焼きはごまかしの効かない代表的な焼き物料理で、お店の実力を量るバロメーターにもなります。塩加減は◎。辛口の日本酒が外せないですよ。おススメは酒粕チーズ。これはふたつ星4047で肥前浜に停車中の物販で手に入れられますが、珍味中の珍味であることを食べたら理解できます。是非食べてください!(^~^) 作っているのは百年料亭の宇喜世さん。鰻が名物の老舗で、料亭の味を車内で食べられるのはなかなかできない体験でした。百年料亭とは、建物及び周辺施設等が百年以上の歴史を持ち、かつ営業を今も行っている全国各地の料亭がネットワークを組んだ組織で、いずれのお店も味にうるさい名店が連なります。その中には観光列車で食べられるお店もあり、新潟の行形亭(いきなりや)や鍋茶屋は海里の往路で和食を提供している他、大分・中津の筑紫亭は36ぷらす3の青の路での懐石料理を担当しています。 直江津到着前には釜めし用の茶碗と奈良漬け、粉山椒が準備されます。 そして直江津に到着後、出来立ての釜めしがお店のある高田から搬入されます。今回の復路のメインイベントといってもよいでしょう。 釜めしをセッティングすれば、あとはいただきま~す(^~^)。 釜めしの中身は、名物の鰻を使った鰻釜めしです。そら贅沢ですわ。 味は文句なしにAREです(^~^)。脂がよく乗った国産の鰻です。満足度の高い釜めしでした。 釜めしには汁物として、甘海老真丈と順才(じゅんさい)の吸い物がつきます。出汁のしっかり効いた吸い物ですので、薄味でも出汁の伸びがある繊細な味でした。勿論、鰻の旨味を邪魔しないので、しっかりと堪能できます。 釜めしの後は〆のデザートです。デザートは全コース共通で法王のティラミスが食べられます。4年前に来日したローマ法王フランチェスコ3世が味わったティラミスを特別版にしたもので、〆も贅沢になりました。ティラミスの提供前にはメニュー表とランチョンマットが改めてセットされます。 ローマ法王はバチカン市国の国家元首を兼ねており、来日時には結構なものを食べられていたことが伺えますねえ。 ギャレーでは準備中のティラミスを見ることが出来ました。 ティラミスと合わせてコーヒーまたは紅茶がサーブされます。実際にローマ法王に提供されたティラミスとは一部、原材料が異なり、砂糖の甘味ではなく甘麴蜜という甘酒に使われる甘味料や地元新潟産のチョコレートが使われています。そのため、すっきりかつあっさりした甘みがします。加えて、マスカルポーネチーズのクリーミーな味わいやココアの苦みは食事の締めくくりに最適なのです。 出来立ての味を堪能できるのは地元ならではの贅沢です。エアラインのファーストクラスでも味わえない非常に豪華な内容でした。これならば、リピーターが増えていくのも納得ですね(^~^)。食事だけでお客さんを呼べる貴重な列車。乗って良かったです。 ※記事のアップ時にX(旧Twitter)で乗車記についての投稿をしたところ、何と宇喜世さんからお礼を頂きました。ありがとうございます!歴史のある料亭は、管理人も一人では行きづらい雰囲気がありましたが、今回の雪月花の復路乗車をきっかけに、何らかの形でお店に食べに行けたらと思います。お店は上越市内の中心部・高田にあり、トキ鉄の高田駅から歩いて5分ほどのところにあります。雪月花の車内でもお店の場所はアナウンスをしてくれるので、大体の場所については簡単に把握できます。ランチでも前日までの予約で個室を使えるので、今後は新潟遠征の折に伺いたいですね。 百年料亭 宇喜世 〒943-0831 新潟県上越市仲町3-5-4 Tel:025-524-2217 公式HP https://ukiyo.jp/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.09 21:17:43
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